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異変があると祈祷師が登場…新卒で変な会社に入ってしまった30歳の回顧録

コラム

 社長が権力を掌握し、鶴の一声で決められた方針が変わってしまう企業を一般的に「ワンマン会社」と呼びます。

ブラック企業

※画像はイメージです(以下同じ)

「トップダウンで意思決定が早い」「方針が一貫している」など、良い効果もあるようですが、「間違った方向に行った場合修正できない」「逆らうと解雇される可能性が高い」など、いち従業員にとってはデメリットのほうが大きいようです。

試験もなく入社するも違和感を覚える

 矢野雄介さん(仮名・30歳)も、IT系のワンマン会社で勤務した経験を持つひとり。入社の経緯についてこう話します。

「私は大学時代、漠然とサラリーマンにはなりたくないと考えていたので、就職活動を全くしていませんでした。ところがいざ卒業が迫ると、親に『働かないなら出ていけ』と言われ……。仕方なく大学の就職課に泣きついて、紹介してもらったのがその会社でした。

 入社時、新卒の採用が少なかったこと、そして大学の先輩社員が優秀だったことから、特に試験などもなく、『やる気があるなら、入社していいよ』と言われました。表現に違和感を覚えましたが、就職課のメンツを潰すわけにもいかず、入社するしか道はありませんでした」

軍隊のような社風…休日も「勉強会」

面倒

 そして、入社してしばらくすると、社長のワンマンぶりを目にすることになったそうです。

社長が営業から労務管理など、すべての分野を把握し指示していました。私は世間知らずで、それぞれの部署が担当するものだと思っていたので、驚きました。また、システム開発でも会議に必ず出席してあれやこれやと注文をつけたうえ、プロジェクトリーダーが決めた納期を前倒しにして、スケジュールを厳しくしてしまうんですよ。

 リーダーは一応『厳しいです』とはいうのですが、決まって『気合いで乗り切れ』『頑張ってみろ』の根性論……まるで軍隊のようでした

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