日本経済が復活するこれだけの理由。トルコ出身のエコノミストが提言
コロナパンデミックで外出自粛ムードが続くなか、YouTubeを学びのツールに使う人が増えている。トルコ出身のエコノミスト、エミン・ユルマズさんが運営するYouTubeチャンネル「探求!エミンチャンネル」も、柔らかな語り口で、世界経済から仕事の選び方までを解説し、チャンネル登録者数は6.1万人を超えている(2021年10月時点)。
そのエミンさんの新刊『米中覇権戦争で加速する世界秩序の再編 日本経済復活への新シナリオ』(KADOKAWA)では、世界経済の停滞が続くなか、アメリカと中国という超大国の対立によって築かれる世界秩序について述べられている。
私たちが知るべき世界の実態とは? さっそくリモート取材を行ってみた。
バイデン大統領が示した4つの柱
――新刊では「日本経済の復活」を大々的にうたっています。
エミン・ユルマズ(以下、エミン):まず日本は世界2位の規模の株式市場を形成しており、GDP世界3位の経済大国でもあります。モノも技術もあり、優秀な若者が育ち、資本は十分にそろっている。コロナや米中新冷戦が加速するなかで、きっかけさえあれば経済は浮上すると私は考えています。
――どうすればいいのでしょうか?
エミン:注目すべきは、アメリカのジョー・バイデン大統領によるサプライチェーン再構築です。バイデン氏は経済成長のために、半導体、グリーンエネルギー(脱炭素)、医療、資源(レアアースなど)といった4つの柱を示しました。
EV自動車は今後5年で普及する
――クリーンエネルギーといえばEV車ですかね。
エミン:イギリスでは運転手の不足などからガソリンの不足が起こりましたが、日本は海外に比べてインフラ整備や都市化が進んでいるため、EV自動車は5年経過すれば普及してくると思います。トヨタや日産、本田技研工業など日本の自動車メーカーも力を入れており、世界に先駆けて技術革新を起こせるでしょう。
また、レアアースの分野では、これまでアメリカの輸入先の約80%を中国が占めてきましたが、バイデン氏は今後、オーストラリアやアジア圏の各国・地域と協力する方針を明らかにしました。このことに限らずアメリカは中国とのビジネスをするリスクを今後、考えざるを得ないでしょう。