売上が9割減った店も…飲食店の怒りの声「どこも失業中みたいなもの」
休業することで忘れられてしまうのが怖い
「いまは失業中みたいなもの。どこも『失業保険』をもらっているような状態」
都内で鉄板焼き店を営む男性店主は、コロナ禍での飲食店の状況をこう表現した。同店も時短営業と酒類提供停止を行いながら、政府の要請に協力している。緊急事態宣言の延長には「いまの感染状況を見ると、終わる理由はない。政府の対応に“切り札”もないし、いつまでこの状況が続くのだろう」と不安を隠せない。
現在はアルコール消毒やソーシャルディスタンスの確保を徹底しながら、ランチ営業やテイクアウトで売上を立てているという。
逆に周りのお店から後ろ指をさされることも
感染拡大が続くなかで“休業”という選択肢もあったそうだが、「休業することでお客さまから忘れられてしまうのが怖い。休業して協力金をもらったとしても、それが“手切れ金”みたいになってしまう可能性もある。だからお店に来る人が少なくても営業を続けている」と話す。
協力金支給の遅れについては「政府の状況によって協力金の支給が遅れるから、収支の予算計画が立てられない。だから協力金はあまりあてにせず、その日食べる分の売上だけは稼ぐ」ことで対応している。
今後、協力金の支給を待てずに酒類提供を再開するお店が増える可能性も高い。男性店主は「今度はルールを守っているお店が少数派になって、逆に周りのお店から後ろ指をさされることも考えられる」と危惧している。
<取材・文/新妻 翔>