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上司の「うんちくハラスメント」でノイローゼ寸前に…24歳男性を毒牙から救ったのは

コラム

野球の知識でマウントを取り始めるように

ウザ上司

「そんなことも知らないのに記事書いてんの?」

 次第に記事内容だけでなく、芹沢さん自身に対しても嫌味を言うようになってきたのです。加えて、業務と直接は関係ない自分の知識やうんちくをひけらかすようになりました。日常的に小言を言われ、かつ生産性のないことにほぼ毎日付き合わされ、「ノイローゼになりかけた」と芹沢さんは当時を振り返ります。

「日に日にエスカレートしました。打者の得意なコース、打者と登板投手の相性、個々の選手の学生時代の活躍、監督の性格など……挙げたらキリがありません。愚痴や自慢に付き合わされているのを、勝手に『うんちくハラスメント』と呼んでいました」

 そんななか、我慢が限界に達する事件が起こります。ある記事を配信した際に、ユーザーからのコメントで記事内の間違いが指摘されました。ミスを見抜けなかったのは、記事を確認するA氏の責任であるにもかかわらず、芹沢さんに非を押し付けようとしたのです

 その瞬間、芹沢さんは「もうこの人とは一切関わりたくない」と悟ったといいます。その日のうちに、編集長にこれまでA氏に受けた嫌がらせを報告し、記事確認する担当を変えてくれと頼みました。

パワハラ気味の上司から離れる解決策とは

 しかし、編集部の人数も限られており、担当をすぐに変えてもらうことは叶いませんでした。その代わりに「業務と関係ないことを言われても徹底的に無視していい。もし(無視して)逆上することがあったら、厳しく対応するから報告してくれ」と助け舟を出してくれたのです。

「どうやら彼の『うんちくハラスメント』は以前からあったらしく、似たような苦情が過去にもあったようです。編集長いわく『いくら注意しても後輩へのいびりは治らず癖のようになっているので、徹底的に無視するしかない』とのことでした」

 それから芹沢さんは言われた通り、業務に関係ない発言を無視し続けました。最初のほうはブツブツと文句を言っていましたが、どうやら編集長に釘を刺されていたらしく、嫌味をぶつけてくることもなくなりました。その後、記事を確認する担当も変わり、A氏と関わることはなくなったそうです。

「パワハラ気味な上司に従っていたのが馬鹿らしいですが、当時は不必要に社内の立場を気にして、限界までストレスを溜め込んでしまった」と振り返ります。芹沢さんのように、面倒な上司にはできるだけターゲットにされないよう立ち振る舞い、ストレスがあれば別の上司に相談するのが解決の近道なのかもしれません。

<TEXT/佐藤隼秀 イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

-[ストレス発散な話]-

1995年生まれ。大学卒業後、競馬会社の編集部に半年ほど勤め、その後フリーランスに。趣味は飲み歩き・散歩・読書・競馬

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