お店のラーメンも自販機で。飲食業を助ける冷凍自販機「ど冷えもん」ヒットの裏側
ど冷えもんの勝因「客単価アップ」
また、小沼さんは今までの自動販売機ビジネスとの違いを強調します。
「食品を作るメーカーさんがいて、商品を入れるオペレーターさん、お店全体を見ているオーナー、さらに当社のような自販機メーカーを入れると、4つのプレーヤーがいるビジネスでした。一方、ど冷えもんは食品を作るメーカーとオーナー、さらにPC・スマートフォンから販売・在庫状況の確認ができる簡易化システムを構築したことで、オペレーターまで兼務できます。プレーヤーの数が2社に減った分、より効率的に利益も得られます」
コロナ下でワンオペ業務が増えたため助かっている飲食店も多いといいます。
さらにサンデン・リテールシステムは、アメリカとヨーロッパが主力の市場で、アジア圏では中国とフィリピン、台湾にも拠点があります。海外ではピザやタコスも販売している自動販売機もあるのだとか。
アフターコロナの展開は?
ど冷えもん自体の海外販売は未定ですが、ワクチン接種が進んでコロナが収束に向かったとしても、自動販売機事業の好調は続くと予想します。
「非接触な自動販売機や冷凍販売の需要は伸びていくと思います。政府からの補助金もこれまでは環境保護案件が多かった印象ですが、今は非対面・非接触の新業態も対象になってきています」
今までなかった非対面・非接触と、ニューノーマルな生活とがようやく結びついたとのこと。そして、「今後は消費者の買い方スタイルが変わってくる」とも語ります。
「アフターコロナや働き手不足もあり、コンビニエンスストアの営業形態も今後、変化すると思われます。しかし、24時間モノが買いたいというニーズは無くならないので、ど冷えもんのような代替品が求められる時代は訪れるでしょう。今は電子マネー払いができる機体も増やして、ますます利便性を高めていくつもりです」
現在、リモートワークが増えた会社からの依頼も殺到しているそうです。うまく時代にマッチした本商品が今後どうなっていくのか注目したいところです。
<取材・文・撮影/大川藍>