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コロナでも黒字化のココイチ。デリバリー需要、独自戦略の強み

ビジネス

2021年はさすがに成長が止まる…

 2021/2期はコロナの影響を受けており、テイクアウト対応や感染防止対策に取り組んでいたようですが、客数の減少には歯止めがきかなかったようです。

 利益面では営業利益が2018年:47.1億円⇒2019年:44.4億円⇒2020年:52.0億円⇒2021年:25.6億円、最終利益が2018年:31.9億円⇒2019年:27.9億円⇒2020年:32.6億円⇒2021年:17.4億円となっています。

 特に2020/2期は値上げによる収益改善が数字として表れています。赤字の飲食チェーンが多かった2020年度ですが、壱番屋の21/2期は黒字を確保しています。これはFC店を中心とした店舗展開が要因であり、直営のように経費がかからないため、売上が減少しても赤字にならなかったと考えられます

コロナ禍でも業績が上向きに

ビジネス グラフ

 最新の2022/2期第1四半期(3~5月)は前年を上回りました。2020/2~2022/2期の業績について1Qのみで比較すると売上高は2020年:128億円⇒2021年:103億円⇒2022年:111億円。営業利益は2020年:15.4億円⇒2021年:3.3億円⇒2022年:6.8億円、四半期利益は2020年:10.7億円⇒2021年:2.5億円⇒2022年:12.6億円となっています

 2020年度はコロナショックのほか、FC店への加盟保証金を全額返済したこともあり減収減益となりましたが、2021期は回復し四半期利益もコロナ以前を上回っています

 どのような要因があるのか、まず挙げられるのが前年の反動です。感染拡大が始まった2020年の4~5月は自粛をする動きが強く、東京や大阪でも街中は閑散としていました。しかし今期はその反動で客足が回復し好調に繋がっているのではないでしょうか。

 そして、“ファーストフード性”の高さも客足回復の要因と考えられます。さまざまなチェーンを比較するとファミレスや居酒屋業界は比較的回復が遅く、先に挙げたマクドナルドを筆頭に食事をしてすぐに退店するタイプの店は感染リスクが低いためか、回復が早い印象があります。

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