『呪術廻戦』に学ぶ「弱さを強さに変える」方法。コンプレックスに負けない
台詞1:「生き様で後悔はしたくない」
「自分が死ぬ時のことは分からんけど
生き様で後悔はしたくない」
(『呪術廻戦』1巻・第3話「自分のために」より)
これは、主人公・虎杖悠仁の言葉。呪術高専の学長との面接のシーンで、虎杖が呪術高専東京校の学長・夜蛾正道に言ったセリフです。この言葉は、私たちに、自分の生き様について、ふと気づきを与えてくれることでしょう。
自分らしく生きているか。堂々と実直に生きているか。自分の人生を納得して生きているか。このセリフの直前、虎杖は学長・夜蛾より不合格を言い渡されています。「死んだ爺ちゃんの遺言に従って人助けをしたい」という理由で高専入学を志望していたからです。自分の意思ではなく、他人の指図で行動する人間には、呪術師は務まらないと、一刀両断されたのです。
不合格を言い渡されたことにより、虎杖は、自分の意思があいまいであることに気づきます。爺ちゃんに言われたから呪術師になりたいのか? それとも、自分からそうしたいと思っているのか? 虎杖は、夜蛾が差し向ける呪骸と戦いながら、考えに考え抜いて、噓偽りのない自分の答えを導き出します。その答えがこのセリフです。
人は誰か大切な人から期待をかけられると、それに応えたいと思うもの。ただし、誰かから言われたから、その呪縛により「しなければならない」のか? それとも、自分が心から「したい」ことなのか? それによって行動の持つ意味合いや責任のありかが大きく変わってきます。
あなたは、自分の人生に責任を持って生きているでしょうか? 納得して生きているでしょうか? 一度、しっかりと考えてみるのはいかがでしょうか。
台詞2:「同じクソならより適性のある方を」
今の仕事がいやになったときに、ふと思い出してほしいセリフがあります。それは、七海健人のセリフです。
「同じクソならより適性のある方を 出戻った理由なんてそんなもんです」(『呪術廻戦3巻・第19話「幼魚と逆罰」より)
どんな職業にも悪い部分はたくさんある。人間が働くということの真理をついた重みのあるひとことです。クソを「好きじゃない」に置き換えると、一層、七海の言わんとするところがクリアになるでしょう。
もうひとつのメッセージがあります。それは、仕事をするのであれば、自分の適性をしっかり把握するように努めるべき、ということです。
七海は、他人のために命を投げ出す覚悟を仲間に強要しなければならない状況に直面する可能性のある呪術師を嫌い、いったんは証券会社に就職するも、ただ金儲けを求める姿勢に疑問を抱き、そこが自分の居場所ではないことに気づきました。
そして、呪力を扱えるという特殊能力を持つことの優位性をあらためて認め、たった一言「ありがとう」と言われたことをきっかけに呪術師に出戻ったのです。
呪力は私たちに無縁の話ですが、仕事に対する向き不向きは必ずあります。適性のない仕事をこなすよりも、適性のある仕事をしたほうが、効率よく稼げることは言うまでもありません。好きな仕事、あこがれの仕事が、自分にとってベストの仕事とは限らない。それが現実であったりもします。
現実から目を背けず、現実を受け入れ、自らに与えられた最適な役割を担い、ベストを尽くす。自分の能力を最大限活かせる仕事は何か? 七海のこのセリフを足掛かりに、自分の適性について、一度考えてみてもよいかもしれません。