「月2万4800円で300部屋」が自由に使える。話題のセカンドハウスを潜入取材
セカンドハウス運営のきっかけ
まさに今の時代のニーズに合ったセカンドハウスのサービス。しかし、同社はもともとワークスペースのシェアサービスを展開していました。
「カフェで仕事したい人に向けて、空いているカフェの席がLINEですぐ分かるアプリを提供していました。今年3月だけで月間利用者数が400名増加するなど、順調に成長していましたが、緊急事態宣言で不要不急の外出禁止になったので、いったんサービスの新規開発をストップしたんです。今は個室のテレワークニーズに切り替えて、チャレンジしているところです」
今回のセカンドハウスのサービスをリリースする前に、約1か月間無料で利用者を募り、実証実験も行ったとか。
「やはりニーズは個室なんですよね。実証実験では『大きなモニターが欲しい』『衛生管理をしっかりしてほしい』といった意見がありました。ただ、予算も限られていたので、モニターをなしにして、衛生面に気を配りました。戸建てだと『帰る時にトイレ掃除するのが嫌だ』という人が多かったので、管理人が掃除してくれる共同トイレの物件にするようにしています」
また、気になるコロナ対策は「人それぞれで感度が違うので、自己責任でお任せしている」とのことです。
過度にならないサービス
運営の基本方針について「なるべく物を置かない、最低限のサービスを心がけている」と荒木氏は語ります。背景には、かつてコワーキングサービスを運営していた時の失敗経験がありました。
「利用者からの要望があったのでドリンクコーナーを作ったのですが、ほとんどの人が近くのコンビニで買ったペットボトルを持ち込んでいて、あまり使われませんでした。結局、90~100点の手厚いサービスを提供するよりは、いつでも利用枠が空いているとか、簡単に予約ができるとか最低限のシステムだけ準備して、そのぶん値段を下げたほうが満足度の平均点は高くなると思ったんです」
実際、利用者に対してゴミは自分で持ち帰るルールにしているようです。
「ゴミ箱は普通、個室に置くと思うんですが、夏場に放置すると臭いが充満することもあると思うんです。だったら各自自分で出したゴミを持ち帰ってもらうようにすればいいかなと思いました。そのあたりは振り切ったサービスになっていますね(笑)」