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「男は黙って」からのイメージ転換。サッポロ黒ラベルがZ世代にウケる訳

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 若者のビール離れが叫ばれている。長引く不況やコロナ下での飲食店休業などで、若い世代はますますお酒を飲む機会が減ってしまっている。

「お酒を飲むと太りそう」「酔っ払うのはカッコ悪い」などネガティブなイメージも先行している逆境下で、ビール大手サッポロビールの代表ブランド「サッポロ生ビール黒ラベル」はブランドの若返りに成功、缶は6年連続で売上を伸ばし続けているという。

サッポロビール

サッポロビール株式会社 齋藤愛子氏

 ブランドマネージャーを務めているのは若手の女性社員、齋藤愛子氏(34歳)。ビール離れが進むなか、なぜ若返りに成功したのか。本人にあれこれ話を聞いた。

「男は黙って」からのイメージ転換

 黒ラベルといえば2010年から放送され、妻夫木聡さんがイメージキャラクターを務めるテレビCM「大人エレベーター」を思い浮かべるかもしれない。しかし、ひと昔前は、故三船敏郎の「男は黙ってサッポロビール」に代表される硬派なイメージが強かったという。

サッポロビール

妻夫木聡さんがイメージキャラクター

「黒ラベルでは毎年ブランド調査を行っており、これまでは『男は黙って』や『お父さんが飲んでいた』という硬派なイメージを持たれることが多かったのですが、近年は、スタイリッシュや大人エレベーターのイメージなどお客様のイメージも変わってきている実感があります

 実際、同社のブランドパワー調査では20~30代から「時代にあっている」「洗練されている」など、黒ラベルの味や品質以外の声も顕著だったという。着実にトレンドが変化する中で就任した齋藤氏だが、本人は「黒ラベルの何かを大きく変えることはない」と語る。

「新しく就任すると、つい自分の色を出したくなりますが、黒ラベルは現行の“大人の生”というメッセージが上手くいっているので、社内外からいろいろな意見をいただくこともありますが、それに一喜一憂しないように注意しています。一方で、黒ラベルのターゲット層と同年代ということが私自身の強みでもあるので、若年層に支持されている部分をさらに伸ばす試みを始めています」

サッポロビール若返りの秘密

 齋藤氏が、テレビCMはリーチしきれないZ世代と呼ばれる若者たちに対して行ったのは黒ラベルが持つ世界観を意識したきっかけづくりだ。

「他社と比較した強みを考えたとき、『黒丸と星』のブランドロゴだけでも黒ラベルだとわかるインパクトの強さが挙がったんです。そこで昨年(2020年)はビームス、今年はコールマンなど他業界とのブランドロゴを活かしたコラボをしました。これを機に普段リーチしない層にも興味を持ってもらうきっかけも作れています」

 他にも無料オンラインライブや、黒ラベルのロゴをスキャンすると見ることができる読めるオリジナルコンテンツといったブランドの世界観に触れてもらえるきっかけとなるキャンペーンを展開してきたという。

サッポロビール

オンラインライブイベントには奥田民生、Creepy Nuts、OKAMOTO’Sといった人気ミュージシャンが出演(プレスリリースより)

 さらに、黒ラベルのテレビCMには、一般的なものと比較して明らかな違いがあるという。齋藤氏は「10年以上ずっと同じコミュニケーションをやり続けている商品は珍しい」という。

普通のビールのCMは、ビールをゴクゴク飲んだり、美味しいとか味の感想を強調したりしますが、黒ラベルではそれをしません。味に絶対的な自信があるからこそ、ブランドが持つ世界観を通じて、共感を生むようなコミュニケーションを心がけています。ワイワイ乾杯せず、じっくり自分と向き合いながら飲むイメージも、コロナ下のトレンドとマッチしていると感じています」

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