<珍風景クイズ>写真の場所はどこ?たまねぎがゲットできるUFOキャッチャー
【解答】「木坂の藻小屋」(長崎県)
第2問で出題した写真の都道府県名は「長崎県」。そして、写真の左右に写っている石積みの建物があるスポット名は「木坂の藻小屋(きさかのもごや)」です。
長崎県対馬市の木坂地区(木坂御前浜園地)に復元された8棟の「木坂の藻小屋」は、木坂集落に住んでいた人たちが昔、畑の肥料にする「海藻(藻)」を貯えるための納屋でした。当時の人たちは、90%近くが山林となっている対馬での食糧不足を改善するため、海藻を肥料にして収穫を増やしたと言います。
普段は海岸に打ち上げられた藻を集めて肥料に使いましたが、足りないときには舟を出して藻を取りに行ったそうです。舟は藻小屋に格納したため、「舟屋」とも呼ばれました。
このような藻小屋は対馬の西海岸に点在していましたが、復元されているのは「木坂の藻小屋」のみで、当時の生業に触れることができる貴重な資料のひとつとなっています。また、復元されたのは屋根部分のみで、壁部分の石積みは当時のものです。
海藻が豊富だった対馬ですが、現在は、海岸域の海藻などの群落である「藻場」が減少・消失し、磯焼けが深刻な問題となっています。また、海岸に押し寄せる大量の漂流ゴミ問題も大きな課題となっており、2019年に漂流したゴミの量は、一般的な小学校の25メートルプール約160杯分に相当。
漂着ゴミは、国や県、市が費用を捻出して回収・処理をおこなっているほか、対馬海ごみ情報センターなどが海岸掃除のボランティアを募集して除去活動をおこなっています。
また、大手総合商社・伊藤忠商事も、対馬の海洋プラスチックゴミを一部利用したポリ袋を開発するなど、多くの企業や個人が海の再生を模索中です。
<文・撮影/山内良子>