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無給インターン、卒業ブログを強制…キラキラベンチャーのありえない裏側

コラム

働けて幸せ!スピリチュアル感に辟易

ベンチャー

 当時、給料(報酬)をもらっている人は、社長、社長秘書、山田さんの3人だったそうです。

「無給で働いてるインターン生を見ると心が痛みました。ツラくて急に飛んでしまう子もいましたよ。でも、飛んでしまう子は一握りで、大半は『ここで働かせてもらえるなんて本当に幸せ、感謝の気持ちでいっぱい!』という感じでした。SNSにそう書き込む人も多くて、外から見たら“イケてる”会社でしたね」

 会社全体がSNSをフル活用しており、山田さんも個人のSNSアカウントを作らされたと言います。

「毎日発信して、みんなインフルエンサーになろう! という雰囲気でした。SNSではお客様との繋がりもあり、感謝の言葉をたくさんいただきました。ただ、インターン生にタダ働きをさせるなど労働基準法に反していますし、ここでは言えない違反行為もたくさんありました。社長に憧れている人もいたので、僕が合わなかっただけかもしれませんが」

 入社5か月目、山田さんは社長から「お金がヤバい」という話をされます。

経営難で退社へ。しかし膨大なタスクが

「全体ミーティングで社長が『今の状況が続けば社員全員のクビを切らなきゃいけない』と言っていました。無給の労働力で売上を作っている会社なので、僕の人件費は大きな負担だったのでしょう。社長には会社の負担になるなら辞めます、と伝えました。そのあとすぐ僕の代わりに新しいインターン生が入社し、その子にすべてを引き継ぎました」

 給料をもらえないインターン生に、業務をすべて託してしまったという山田さん。罪悪感もあったそうですが、それ以上に身体的にも、精神的にも限界で「早く辞められることにワクワクした」と言います。

 しかし、ここはモンスターベンチャー。スムーズに辞められるはずがありません。

「辞めると決まった瞬間、これでもか! という量のタスクを渡されました。『タスクを消化してから辞めてね』とのことで、お金が発生しない翌月も無給で働き続けました。タスクを消化しても、社長秘書にあれこれ言われて長引くんです」

 そんな山田さんですが、「最終タスクが最もしんどかった」と言います。

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