発達障害の私がやっているライフハック。「休憩」で仕事モードのON・OFFを
睡眠は1日の予定のなかでもっとも大切なもの
1日のタイムスケジュールを組むときに、もっとも優先して時間を押さえるべき予定ですが、それは「休憩」と「睡眠」です。
発達障害を持つ“こだわりさん”はルールや決まりごとを徹底するというこだわりを持つ人が多い一方で、「過集中」に陥ることが珍しくありません。一度過集中に入ると、10時間でも24時間でも、ノンストップで仕事を続ける恐れもあります。過集中は、瞬間的なハイパフォーマンスにつながるものの、一度集中が切れた後の疲労感は、半端ではありません。
当然、メンタルにも悪影響を及ぼします。元の状態に回復するまでには時間がかかるため、適度な休憩や睡眠なしの状態で過集中に入るのはおすすめできません。
だからこそ、きっちり「休憩」と「睡眠」を確保するのが重要なのです。なお、過集中の間は、過度な緊張状態に入っているので、寝ようと思っても、なかなかすぐに寝られません。そこでおすすめなのが、「自分の作業を強制終了できるルーティンをつくること」です。
私の場合は、入浴を過集中のON・OFFの切り替えイベントとして位置づけています。お風呂に入ったあとは、どんなに忙しくても仕事をしないで、時間通りにしっかり寝る。私が毎日7時間前後の睡眠を安定してとれているのは、スケジュールに書き込んでいる“就寝”が過集中に対するストッパーになってくれているからでもあります。
休憩時間もしっかりと確保してON、OFF
コロナ禍でリモートワークが推進されたことで、自宅で働く時間が急激に増えました。仕事モードのON・OFFの切り替えのスイッチの役割を担う通勤というイベントが失われつつある今、自宅作業によって休憩がないまま過集中が続き、仕事モードから抜け出せずに苦しむASDのある方々からの相談が多くなっています。
過集中は脳内エネルギーを一気に放出するので、過集中の状態が切れた後、極度の疲労に襲われます。その結果、他の仕事への切り替えができず、不都合が起こるのです。1回の労働で何百万円も稼げる人なら問題ありませんが、多くの人はそうはいきません。
特に、会社勤めの方であれば、プロジェクトが終わるたびに瀕死の状態で会社を休んでいては、信頼を失ってしまいますし、会社にも迷惑をかけてしまいます。
私もコーチングの仕事では、求職者の方との面談や面接練習などをメインに行っていますが、noteに記事を書いたり、ブログを書いたりもしています。つい、記事やブログを書くことに熱中してしまい、気づいたら夜中の3時や4時になってしまうこともありました。そして、次の日の面談は眠気を抑え、ヘロヘロになりながら面談をして、求職者から不信感を持たれてしまうケースもありました。
そんな苦い経験を持つ私のようにスタート時点で方向性を誤ってしまうと、驚異的な集中が裏目に出てしまいます。また、休憩を意図的にはさむことは、仕事の方向性のチェックや軌道修正を図ることができるので、生産性の面から見ても価値があることだと思います。