発達障害でも「食える人」に。人気ブロガーの壮絶すぎる仕事術
才能を目覚めさせるわけでもなく、世界のエリートに学ぶわけでもない、「日本一意識の低い自己啓発本」がベストセラーとなっています。
それが、『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』(KADOKAWA)。著者は人気のブロガー・借金玉さん。
発達障害とその二次障害である双極性障害(躁うつ)を抱えながら、不動産関係の会社で働くサラリーマンです。
一流企業入社も2年も立たず「敗走」
借金玉さんをご紹介すると……落ち着いて考えるということが苦手で、得意はケアレスミスとなくし物。
「スケジューリングや整理整頓は破滅的」で、衝動性が強く、言うべきときではないことを言ってしまったり、やるべきではないことをやってしまったり。
感覚過敏や自分のルールへのこだわりも激しく、空気の読めなさは常軌を逸したレベル、だとか。
当然、幼少期から周囲となじめず、せっかく入った一流企業では「記録的な速度で職場の嫌われ者」となり、2年もたたずに「敗走」。その後、起業するも失敗。無職となり、「うつの底」で苦しみながらも這い上がり、今に至る……。
とまぁ、なんとも波瀾万丈。発達障害を抱え人生を七転八倒しながら、身をもって習得してきたライフハックをまとめたのが本書なのですが……その内容はというと、極めて実践的で汎用性の高いものばかり。
借金玉さんが提案する「仕事術」
例えば、「仕事編」。
・片付けができない、モノをすぐなくしてしまうなら、必要なものはまとめて1か所にぶっこむ。カバンも、仕事に必要なものがすべて入るほどのでかく頑丈なものを選び、“とにかく”そこに入れておく。
・書類はクリアファイルで整頓などということを考えず、見やすく、片付けるのも取りだすのもラクなバインダーに仕事の流れ別に留めておく。
・手帳は仕事もプライベートも1冊に集約し、汚かろうとどのページに書こうと、“とにかく”そこにメモってあるという状態にする。
といった具合です。
整理整頓が苦手な人は少なくないでしょう。提出書類の期日をついつい忘れてしまうのだって、よくある話。
こうした人は幼い頃から「しっかりしなさい」と言われ続け、その都度、「ちゃんとしなきゃ」とは思いつつもできないわけで、だとしたら、「自分の能力的問題を解決するよりは、環境や方法を変えるほうが簡単」という借金玉さんスタンスは極めて、理に叶っているのではないでしょうか。