つい他人任せに…会社の新規事業立ち上げで陥りがちな「7つの大罪」
第5の大罪:挑戦なき失敗
当然のこととして、保守的な企業は、失敗を恐れる。しかも不適切にたとえば、とあるメーカーでは、「間違っても間違わない」という100%の安全基準が徹底されていた。巨大な本業での製造現場では、それは正しい。しかしながら、それを新規事業に当てはめてしまっては、事業を進められない。
とある広告代理店では、ありとあらゆる業界や業種にクライアントがいるという本業の構造が、新規事業とバッティングした。何を考えても、必ず既存のクライアントと競合し、思い切った手が打てないのだ。
これらの企業は、挑戦して失敗をするどころか、挑戦することもできずに失敗(参入さえできない)を年中行事のように繰り返しているのである。
第6の大罪:利他なき利己
「利己」とは、出世や保身、地位、名誉、金など、誰もが想像できる「ビジネスシーンの欲望あるある」を前提としている。たとえば、組織のあるある保身サイクルは、「組織の成長→多様性のためのルール構築→ルールの定着→前任の踏襲→ことなかれ主義の定着」であったりする。
また、個人のあるある保身サイクルは、「個人の成長そして安定→守るべきものの増大→保守化」や、「個人の失敗そして不安定→守ることで精一杯→保守化」など、こうした事例には事欠かない。利己がはびこる事業は必ず失敗する。起業で重要なことは、利他である。