つい他人任せに…会社の新規事業立ち上げで陥りがちな「7つの大罪」
第3の大罪:顧客なき事業
ビジネスを行う際の行動規範の原点となるのが「顧客視点」だ。つまりは、顧客の立場に立って、顧客の問題を見るということである。あなたの仕事は、顧客に価値を生むことだ。
業務を管理することや、上司に評価してもらうために努力をすることではない。スタートアップでは、起業とはこういうものだと思い込んで突っ走ったり、手段であるはずの最先端の技術ばかりを追いかけてしまったりすることに注意してほしい。顧客の価値を生み出すための手段や形式が先にきてしまってはいけない。
一方、顧客のことだけを見て事業全体の収支を見ないのでは、社会活動家になってしまう。顧客に対するあなたの思い入れだけでは、事業としては成立しない。マネタイズもセットにして考えなければならない。
また顧客に対する市場調査や統計だけから導き出された事業は、生身の手触り感が希薄だ。「理屈だけの事業」「あったらイイナ事業」では、やはりマネタイズがついてこない。事業がうまくいかない時、それは「顧客なき事業」である可能性が高い。
第4の大罪:熱狂なき業務
担当した業務を誠実に頑張る。しかも、新たな業務を生み出すことはほとんどなく、すでに生み出されている業務を管理したり、調整したりすることをずっと量稽古してきた。
これは、組織人としては当たり前に大事な姿勢と行動ではあるが、あくまで「会社のプロ」である。起業においては上位概念の欠落につながってしまう「クセ」に他ならない。
部分よりも全体、手段よりも目的、現象より本質を追い求めてほしい。目の前の業務をこなすという作業を超えた、顧客価値の実現のために熱を持ち続けてほしいのだ。正しい「熱」は、必ず価値を生むはずだ。