bizSPA!

息子2人が東大に。シングルマザーの元フジテレビ管理職が語る、子育て観

暮らし

ゲームもテレビも制限しなかった

テレビ

 よく子育ての相談で「子どもにゲームをやらせていいんですか」という質問を受けるのですが、私は「好きなことは、どんどんやらせてあげてください」と答えています。実際、息子たちにはゲームやテレビを禁止したり、制限時間を決めたりしていませんでした。

 ゲームは世界で認められているエンターテインメントですし、デジタルトランスフォーメーションの時代にコンテンツに触れさせないのは難しいと思います。ゲームをきっかけに興味が広がることもあるはずです。もちろん、年齢に応じたゲームを選ぶことは大切で、そこはCERO(セロ)のような対象年齢の区分を参考にする必要があります。

 ただ、放っておけばゲーム依存になってしまう心配もあるので、ある程度、メリハリがつけられるように、親が上手に違うことに誘導する必要はあります。私は「ずいぶん長い時間、ゲームをしているな」と思うと、「にんじんの皮を剥くから手伝って」と声をかけて、料理に誘ったりしていました。

 食事の時に「さっきやっていたゲームはどんな内容なの?」と話すこともありましたし、「次はどんなゲームやりたいの? じゃあ勉強を頑張ったら新しいのを買う約束にしようか?」と提案する作戦を使ったりもしていました。心がけていたことはゲームを否定したり、強引にやめさせたりしないことです。

 最終的にうちの息子たちは、大好きなゲームを心おきなく楽しむためには成績をよくすることだと思ったようです。試験の時はマンションのトランクルームにゲームを隠してやれないようにするなど、自分でコントロールできるようになりましたが、そうなるには最初にある程度、親が関わらなければいけないでしょう。

 おかげ様で今、息子たちはゲームと料理が好きな大人に育ちました。親は勉強だけでなく、ゲームでも他の遊びでも、子どもがやっていることに関心を持ち、できたことは褒めてあげるということが本当に大切だと、振り返ってそう思います。

<TEXT/子育てアドバイザー 入江のぶこ>

東京都生まれ。大学卒業後、フジテレビ報道記者の入江敏彦氏と結婚。1994年12月、移住先のカイロで小型飛行機が墜落し、乗っていた入江氏が死亡。帰国後、フジテレビに就職。バラエティ制作、フジテレビキッズなどを担当。女性部長職としてマネジメントも行う。2017年7月に退職後、東京都議会議員選挙に出馬、港区でトップ当選を果たす。一般社団法人グラミン日本アドバイザリーボード、東京都交響楽団評議員。著書に『自ら学ぶ子どもに育てる 息子2人が東大に現役合格した、ワーキングマザーの子育て術』(あさ出版)がある

おすすめ記事