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息子2人が東大に。シングルマザーの元フジテレビ管理職が語る、子育て観

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叱ることはあってもイライラをぶつけたことはない

 よく「1人で子育てしていて、イライラした時はどうしていたんですか?」と聞かれるのですが、そこは他の人とベースが違っているかもしれません。

 あんなに生命力に溢れていた夫が「行ってくるよ」と出て行って、次に会った時は本人とは分からない状態になってしまった。小型飛行機墜落事故で遺体は炭のような状態でしたから、もう一度、肌に触れたいという思いすら叶えられなかったんです。その経験が凄まじすぎて、子どもが笑顔で生きていてくれるだけでありがたいという気持ちが大きいんですね。

 もちろん、息子たちがまちがった行動をとった時に叱ることはありましたが、私のイラ立ちをぶつけるなんて申し訳ないと思っていました

 きっと、息子たちもまわりの子が「うちのパパが」なんていう話をしているのを聞かなければいけない場面があったはずですが、次男なんてそもそも父親の記憶がないわけです。彼らがそういうことでどれほど悲しい思いをしたのかは実際には分かりませんが、そんな環境の中で一生懸命頑張ってくれてありがとうという気持ちは今も変わらないんです。

自分から勉強する子に育つには?

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 感情的に叱らないというのは、私の母の影響もあります。私自身が母に理不尽に怒られたり、拒否されたりして、「ママはどうしてこんなひどいことを言うんだろう?」と思いながら泣いていた記憶がたくさんあるんですね。父が優しく包み込んでくれる人だったので救われたのですが、一人っ子だったので日中は逃げ場がなかったんです

 社会人になった息子たちが、私の著書のインタビューで「叱る時も褒める時も筋が通っていた」と振り返ってくれていますが、ブレないということは、子育てでとても大切だと思います。やはり子どもの一番身近にいる親の影響はものすごく大きくて、ポジティブに愛された、肯定されて育ったということは、その後の人生に大きな影響を与えるからです。

「どうしたら自分から目標を見つけて頑張れる子に育ちますか?」「自分から勉強する子に育てるには?」と聞かれるのですが、それもブレないということにつながっていると思うんです。

 不合理に感情をぶつけないことをはじめ、 前回の記事で書いたように集中して子どもを観察して適性を見極めること、子どもの頑張りや成長をしっかりと見て褒めることの積み重ねだと思います。

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