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「他人を信用できなくなりました」26歳芸能マネージャーが抱いた虚無感

コラム

渋々引き受けてくれることに

芸能マネージャー

 宮城さんがポジティブな面を説明するも、Aさんは「ギャラが安すぎる」の一点張りであまり良い反応はされなかったそうです。

 さらには「出るのは構わないけど、ギャラを1万円になんとか出来ないかな?(苦笑)」と言われ、宮城さんは「無理にとは言いません」とやんわり断ろうとしたのですが……。

「最終的に『今回はやりますね』と煮え切らない態度のままOKをもらいました。正直言ってあまり気持ちは良くなかったですが、結局引き受けてくれたので文句は言えません」

ギャラのピンハネ常習犯だった

 その仕事は問題なく終わったそうですが、後日いざこざがおこったそうです。

「ありがたいことにその後、仕事をふったAさんから仕事を紹介してもらえたんです。

 ただ、拘束時間が8時間でギャラは1万円のイベントのはずが、僕の事務所の社長がたまたま発注元のスポンサーと知り合いで、本来のギャラの額が分かってしまって……実は2万円だったんです

 のちに風の噂で聞きましたが、どうやら彼はギャラのピンハネを繰り返し、浮いた額をポケットに入れているヤバいやつだったんです。驚いたのと同時に他社の人を信用できなくなりました。狭い業界なので共存共栄で仲良く……という気持ちをふみにじられた気分です。彼を問い詰めたりはしませんでしたが」

 この1件以降、宮城さんは他社に仕事をふる時は心を鬼にして、いかなる場合でも会社として2割のキャスティング料を引いているそうです。

 表向きには友好的に振る舞っていても裏では何を考えているのわからないもの。多少の友情を感じていたとしても、仕事の世界では常に油断禁物ですね。

<TEXT/吉沢さりぃ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。近著に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)がある。『日刊SPA!』『BLOGOS』などで執筆。趣味は飲酒
Twitter:@sally_y0720

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