システム障害のみずほ銀行、年収は高いが気がかりな体質も
2021年2月28日から3月12日にかけて大規模なATMのシステム障害を起こした、みずほ銀行。3月中に金融庁の立ち入り調査が入ることが決定しました。しかし、みずほ銀行は2002年・2011年にも大規模なシステム障害を起こしており、今回が初めてではありません。
本連載「ブラック企業アラート」では、「みずほ銀行」および、親会社の「みずほフィナンシャルグループ(以下みずほFG)」の公開情報を通して、その姿を分析します。
第三者委員会が原因究明に
みずほ銀行の公式サイトトップに説明があるので、これをもとに時系列で概要をまとめます。公式サイトで説明がない分については各種メディアの記事を参考にしました。
2月28日:定期性預金取引のデータ更新作業に起因するシステムトラブルが起き、通帳・キャッシュカード等がATMに取り込まれる
3月3日:ATMに障害が発生。通帳・キャッシュカード等がATMに取り込まれる
3月7日:インターネットバンキング・ATMで一時、定期預金の一部が取引できなくなる
3月12日:データセンターのハード機器障害により外為取引が遅延
また、3月17日にはみずほFGにて第三者委員会として「システム障害特別調査委員会」立ち上げの発表があり、委員長には弁護士が、委員にはシステム専門家らが選任されることが決まっています。
みずほ銀行では、事後処理に当たる藤原弘治頭取の続投が決定したり、4月から全国銀行協会の会長に内定していた坂井辰史氏(みずほFG社長)の就任が取り消されたりするなどの影響が出ました。
今回のシステム障害を概説すると…
参考として、みずほ銀行の過去のシステム障害について概説すると、2002年の障害は、4月1日のみずほ銀行(旧…第一勧業銀行・富士銀行・日本興業銀行の3行が合併したもの)の発足初日から発生したものです。
2011年の障害は特定の義援金口座に振り込みが集中したことが引き金となり、2週間にわたって入出金・振込が遅延しました。
これらの反省を踏まえて2019年7月に新勘定システム「MINORI」が稼働開始しており、当初は好意的に報道されていましたが、今回のシステム障害は「MINORI」稼働後の事象であるため、MINORIに不具合がないか、といったことが厳しく問われることになるでしょう。