ノートパソコン大手4社に聞く「テレワーク特需」と「今後の製品開発」
② パソコンを購入する層に変化は?
続く、「パソコンを購入する層」に関する質問では、富士通とレノボ・ジャパンの2社が「一家一台」という言葉を用いて回答しています。
「弊社製品は従来より50~60代のシニア層がメインユーザーでした。在宅勤務やオンライン授業などにより『一家一台』から『一人一台』へと家庭内のパソコンニーズ高まりを受け、ビジネスパーソンや若年層などにも購入が広まってきました」(富士通)
「これまでパソコンは『一家一台』が一般的でした。それがコロナの影響で家にパソコンが1台だと足りないという形での購入が増えています。2台目以降の購入としては子供向けの2台目の端末が多いです」(レノボ・ジャパン)
双方の企業で家庭内での新たなパソコン購入の需要が生まれていることがわかりますが、それぞれで顧客には若干の違いがあるようです。この点はメーカーの特色が出ていると言えるかもしれません。
この他、VAIOでは「金融や地方自治体などのこれまでは社外にパソコンを持ち出さなかった業種でのモバイルパソコンの導入が増えている」と回答。パナソニックは「購入層の変化の断定は難しいが、パソコンの機能としてコミュニケーションの部分の要望が増加している」とのことです。
③ リモートワーク需要は追い風、逆風?
続いて将来的な面における質問に回答をもらいました。「③リモートワーク需要が高まったことは、総合的に見て追い風でしょうか、逆風でしょうか」という質問です。
こちらは4社ともに「追い風」と回答。特にVAIOとパナソニック社は、モバイルに特化した製品開発はコロナ前から力を入れており、需要の増加を歓迎しているようです。
「コロナ禍についてはプラスマイナス両側面の影響がありますが、結果として、働き方が多様化し、リモートワーク需要が高まったことについては、設立以来、場所に縛られない働き方をサポートするモバイルPCやソリューションを提供してきた弊社にとって、長期的には追い風といえると思います」(VAIO)
「会社と自宅を移動することで、特に、当社が特化しているモバイルパソコンの追い風になっていると思います」(パナソニック)
また、富士通はパソコンの立ち位置がウィズコロナの中で再評価されているという分析です。
「リモートワークにとどまらず、オンライン飲み会やオンラインショッピングなど、新しい生活様式の中で生活インフラやコミュニケーションのハブとしてのパソコンの役割が再認識されているのではないでしょうか」(富士通)
このように全社で追い風と見ているものの、その中でレノボ・ジャパンは慎重な姿勢です。経済全体が不安定であることを理由に「現状においては追い風」と回答しています。