ノートパソコン大手4社に聞く「テレワーク特需」と「今後の製品開発」
新型コロナウイルス(以下、コロナ)によって大きな打撃を受けた業種は少なくありません。そんなコロナ禍においても好調な業種もあり、そのひとつがパソコン市場です。
アメリカの調査会社Gartnerによると、2020年の世界のパソコン市場は過去10年で最高の成長率だったという報告もあります。この傾向は日本においても同様で、リモートワークの推進によって新たにパソコンを購入したという人も少なくないでしょう。
各メーカーの回答から見える変化
急激な需要の増加によって、日本国内のパソコン市場と今後の商品展開にはどのような変化が訪れたのか。大手パソコンメーカーにメールで取材し、回答をもらいました。
今回質問に答えてもらったのは、ソニーから分離して7年を迎えたVAIO株式会社、高い堅牢性や耐久性が強みのレッツノートを展開するパナソニック株式会社、老舗メーカーのひとつとして根強いファンを獲得している富士通株式会社、IdeaPadやThinkPadシリーズなどコストパフォーマンスに定評のあるレノボ・ジャパン合同会社の4社です。
それぞれのメーカーに同じ質問をして回答をもらいました。
① 購入されやすい機種に変化は?
まず「購入されやすい機種に変化は?」という質問には全てのメーカーで「変化があった」と回答。4社とも共通で「モバイルパソコンの伸び」をあげています。
「外にいるときだけでなく、家と会社の2拠点を中心とする人が増えたからか、なるべく大画面が良いが、持ち運びもしやすいサイズ感のニーズが高まっているのではと考えられます。具体的には、弊社の扱うモバイルPCには12インチ(よりモビリティ重視のコンパクトサイズ)もありますが、それと比較しても14インチの割合が増えています。加えて、ビデオ会議に伴う(カメラ、マイク)に関する問い合わせも増えています」(VAIO)
「レッツノートシリーズのなかでは、12型のSVシリーズが一番人気ということは変わらないのですが、一番画面サイズが大きい14型のレッツノートLVシリーズの販売構成比があがりました」(パナソニック)
この他、富士通とレノボ・ジャパンも同様にコンパクトなサイズのパソコンの売れ行きが好調のようです。リモートワークの影響で当然と言えば当然かもしれませんが、その結果として持ち運びやすい、大画面のパソコンの需要が高まっています。