話題のSNS「Clubhouse」で注意すべき点。アメリカでは様々な問題が
1月下旬の国内でのサービス開始以降、完全招待制の音声SNS「Clubhouse」が注目されています。
芸能人が相次いで参加していることなども話題の理由ですが、一方で、懸念されているのはユーザー側にとってのセキュリティの問題。利用するにあたり、私たちが注意するべきポイントを、IT・ビジネスライターの柳谷智宣さんに聞きました。
友人や知人から招待してもらうのが安全
アメリカ発の音声SNS「Clubhouse」は、2020年に誕生したサービスで、日本では1月24日ごろから急激にユーザーを増やしています。
サービス内では、ユーザーが「room」と呼ばれる部屋で会話を楽しんでいます。部屋の管理者であるユーザー、もしくは、管理者を任されたユーザーは「モデレーター」と呼ばれ、他の話し手は「スピーカー」と呼ばれます。ユーザーはリスナーとして会話を楽しむだけでもよく、合間で「挙手」してモデレーターから許可を得れば、発言権を持つこともできます。
こうしたコミュニケーションの手軽さはClubhouseならではの楽しさで、また、完全招待制というかつての「mixi」を思わせるクローズドな空間も人気の理由です。ただ、招待制という仕組みには、注意点があると柳谷さんは解説します。
「Clubhouseのプロフィール欄では、自分を招待してくれた人のアイコンが常に表示されます。これは、他のSNSにはない珍しい特徴です。ただ、ユーザー登録後に編集することはできません。オークションサイトで招待権を売買したり、SNSのDMのやりとりで譲り受けるなどして、見知らぬ人から招待してもらうケースもありますが、招待してくれた人の情報は消せず、ずっと自分のプロフィールに残ってしまいます。
あらかじめそれを理解しておくのは必要で、やはり、できるならば友人や知人から招待してもらうほうが好ましいです」(柳谷さん、以下同じ)
メルカリでは招待権の出品について、規約違反としてすでに削除対応をおこなっています。
誰と繋がるべきか、冷静に考える
また、招待権を購入する行為自体にも問題があるといいます。
「現状、ClubhouseはiOS版のアプリのみがリリースされており、おたがいに電話番号を端末に登録した人たち同士でしか招待ができません。そのため、他のSNSにあるDMでやり取りをするケースでは、招待したあとに『電話番号は消します』とつぶやく人もいますが、相手が本当に消すかどうかは分かりません。信頼できる相手ならまだしも、個人情報の取り扱いには十分に気を付ける必要があります」
Clubhouseを使っていると、画面上部に「invite」とするポップアップが表示されることがあります。これは、電話帳にあらかじめ登録してある人への招待をアプリ側がユーザーへ提案する機能ですが、とっさに反応せずに判断するのも大切です。
「実体験として、ポップアップには『この人誰だっけ?』と思う人も出てきます。電話帳へすでに登録されている人なので歓迎してもよさそうですが、なかには、10年ほど前に一度だけ会った人が出てくる場合もあります。相手からしても怖いでしょうし、自分なりに誰と繋がるべきかを考えておいたほうが、おたがいに気持ちよくアプリを活用していけると思います」