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「結婚は、医者以外考えられない」彼女の一言で、職場カップルがあっけない幕切れ

暮らし

「結婚相手は医者以外考えられない」

「その時のことは今でもよく覚えています。食事の席についてすぐに『あなたのことは好きだけど、結婚をするつもりはないから他に結婚相手を探すね』と宣言されたんです。僕は彼女が何を言っているのか全く理解できず、豆鉄砲を食らったハトのような顔になっていたと思います」

 突然のことに混乱しつつも、小清水さんは当然理由を尋ねました。すると考えもしなかった答えが返ってきたそうです。

「彼女の両親は医者なんですが、どうやらそれが理由だったみたいです。『両親の安定した収入のおかげで、今までずっと不自由なく暮らしてきたし、生まれてくる子供にも不自由な生活はさせたくない。だから、結婚相手は医者以外考えられない』と伝えられました」

 その後何度か話し合ったものの、結局二人の仲は元には戻らず、残念ながら別れることになってしまいました。小清水さんは、このことをあらためて振り返ってこう話します。

相手の「家柄」を気にするように

格差カップル

「僕の両親はともに公務員のいわゆる『平凡な家庭』でした。彼女の家柄のことは付き合う前から知っていましたが、障壁にはならないとお互いに考えていました。でも、いざ同棲・結婚ともなると彼女にも思うところがあったのかもしれません。

『子供ができたらインターナショナルスクールか、有名私立幼稚園、どちらにしようか迷う』『教養のために海外の美術館や演劇もみせてあげなきゃ』といった、ちょっと意識高めの未来予想図を描いていましたね。

 格差なんて自分には関係ないと思っていましたが、やはり育ってきた環境の差は埋め難いものがあるのかもしれないと痛感しましたよ

 小清水さんはこの経験から、恋人をつくるときは相手の家柄を一番に気にするようになったそうで、「一般的な家庭に生まれたのに、相手の家柄を気にするなんてちょっと変わっていますが、それでいいんです。もうあんな経験はコリゴリなので」と苦笑していました。

“格差カップル”の悲哀

<TEXT/小畑マト イラスト/カツオ(@TAMATAMA_GOLDEN)>

自称ノンフィクションライター。犯罪、薬物、売春などドロドロした原稿をトロトロ書いてます

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