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フェイクニュースの先駆け!? 昭和の子供たちに激震が走った「レトロゲー」裏技!

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あえてウソを紹介する「人気のコーナー」

ファミマガ

山本直人『超実録裏話 ファミマガ 創刊26年目に明かされる制作秘話集』(徳間書店)

 読者投稿を中心にゲームの「裏技」を紹介するコーナーで、多数紹介されているウルテクのなかに、ひとつだけ編集部がでっち上げたウソの情報「ウソ技(ウソテク)」が入っていました。

 このウソテクを当てるのが懸賞クイズになっていたため、その号を読むだけではどれが本物でどれがウソか、まったくわからない状態だったのです!

 今、ネットのフェイクニュースが社会問題となっていますが、情報誌のなかにフェイクニュースが混じっていたと考えると驚きです(他誌に裏技情報を丸パクリされないため、という理由もあったようです)。

 やはり当時もだまされる子供たちが続出で、出すのが難しい条件の裏技(ウソなんですが……)を放課後何度も何度も試したり、裏技をやりたいがために(ウソなんですが……)ソフトを買ってしまったり、という悲劇があちこちで起こりました。

当時多くの少年を惑わせた!“伝説”の「ウソテク」

水晶の龍

『水晶の龍【ファミリーコンピュータディスクシステム】』(※画像はAmazonより)

 特に有名なのがスクウェアが「DOG」というブランドで発売したアドベンチャー『水晶の龍(ドラゴン)』のウソテク。

 ヒロインのシンシアがこちらに腕を伸ばしているシーンで、手の部分を「見る」とジャンケンができ、プレイヤーが勝つとシンシアの服がはだけるという野球拳裏技。これを信じ込んだ純真無垢な小学生がどれだけいたことか!

 ちなみに推理アドベンチャーの名作『オホーツクに消ゆ』で、温泉にいるめぐみに話しかけ、「なにか とれ」→「めぐみの バスタオル」のコマンドを実行して2分待つとめぐみがバスタオルを取る……というのはウソのような本当の裏技です。

 当時はまだインターネットもSNSも浸透していなかった時代。提示された情報の真偽を、簡単に確認する方法はほとんどありませんでした。

 現在、「ネットを使うにはリアルかフェイクかを見分ける力が必要」とよく言われますが、ファミっ子世代は「ファミマガ」のウソテクで真実を見抜く力を磨いていたのです!

<TEXT/卯月 鮎>

ゲーム雑誌・アニメ雑誌の編集を経て独立。ゲームの紹介やコラム、書評を中心にフリーで活動している。著作には『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。ウェブサイト「ディファレンス エンジン

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