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GU、ナイキも…アパレル業界、働く人の満足度ランキング

ビジネス

パタゴニア、モンクレール社員の口コミは?

アパレル

【株式会社マリアージュ】
(営業、在籍3~5年、男性)
強み:・営業においては接客と育成に対するスタンス、皆で成長していこうというマインド。
・商品においては妥協のない品質にメンバーが誇りを持っている点。
・WEB企画集客力。
事業展望:・首都圏でのマーケットをしっかりと抑えていく事とブランド力の全体的な底上げ。

【パタゴニア・インターナショナル・インク】
(バックオフィス、在籍5~10年、男性)
強み:製品力、カスタマーサービス、自然環境へのコミット
弱み:日本支社(アメリカ本社の子会社)という特性にもよりますが、保守的体質が強いのが、色々なチャレンジへのハードルになっていたように思います。
事業展望:自然環境保護に関する意識は今後も上がっていき続けると思うので、展望はとてもいいように思います。

【株式会社モンクレールジャパン】
(クライアントアドバイザー、在籍5~10年、女性)
強み:世界をあっと驚かせるようなコラボやイベント、広告を打ち出し、革新的で斬新な手法で時代の先駆けとして挑戦し続けているブランド。ダウンジャケットを軸として頭から爪先までをトータルコーディネートで販売できる数少ないブランド。
弱み:・動物愛護やSDGsの観点で他ブランドより遅れを感じる。
・品質に関しても以前よりマシにはなっているが、ファスナーのクオリティ・縫製の始末など、日本市場のお客様に喜んでいただくための改善点はまだ山積み。
・修理についても長く愛用するより、新しく1着を購入してもらうことに重きを置いているため、お客様の愛着心に寄り添えていない。
・お金をかけているイベントが多いが、いつの間にか始まっていつのまにか終了しており、結果もいまいちな感じで財政面で心配になる時がある。
事業展望:モンクレールの個としてのアイデンティティよりも、他ブランドやアーティストとのコラボを続けることにより成長していけるブランドであると思う。ECサイトを自社で持つことで今後の展開がよりよいほうに変わってくるとおもう。

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 他業界と比べて、「クチコミの文字数ボリュームの差が激しい」ことに加えて、「回答者に女性が多い」点が特徴的でした。ボリュームが少ないクチコミは1~2文で終わる、非常に端的な内容である一方、ボリュームが多いクチコミは10行を超える内容で、読み応えがあります。

 ただし、「ファッション・アパレル・繊維業界」の場合、「クチコミ記載者本人の働いている現場での体験」に非常に寄りすぎたクチコミも散見され(本来はクチコミ対象企業の客観的な立ち位置を書くべき項目です)、この項目のみで各企業の特徴・強みが過不足なくわかるわけではありません。そういう傾向が見受けられる業界・企業の場合は、公式サイトの情報も併せて確認するのがよいでしょう。次の項目ではこれらのデータをもとに、さらに整理・要約していきます。

アパレル・繊維業界の特徴について

 上記のクチコミを踏まえると、「ファッション・アパレル・繊維業界」の上位企業は大きく3タイプに分けられます。

・タイプ1:国内アパレル会社(ジーユー、フレームワークス、セキミキ・グループ)
・タイプ2:ブライダル系会社(プリモジャパン、マリアージュ)
・タイプ3:外資ブランドの販売会社(ベネクシー、コントワー・デ・コトニエ、パタゴニア、モンクレール)

 いずれのタイプの会社も残業時間は最大でも25時間/月となっており、残業そのものはそこまで多くありません。一方、有休消化率は「最高で」8割程度にとどまっています。残業時間は抑えられている一方、店舗運営が優先され、自分の意思での休みがとりにくい状況がうかがえます

「ファッション・アパレル・繊維業界」の上位企業は全て「ファッション・アパレル」に属する企業であるので、扱う商材、ブランドの特徴以外にはそこまで業態に差がないことは踏まえておくのがよいでしょう。また、クチコミの総合スコアと、「実際の売上・利益」があまり連動していない点が印象的でした。

 ベネクシー社はクチコミランキング首位ですが、決算公告にて2019年の事業年度=コロナ以前において7億円の純損失が出ていることがわかっており、財政状況は決して良くありません。逆に言うと、「財務状況が良い」と断言できるのはジーユー(ファーストリテイリング傘下)のみであり、売上規模が大きいから、店舗数が大きいから、高級で品質の良い商材を扱っているからといって「しっかり儲かっているいい会社」と評価できるわけではないようです。

 いずれのタイプの企業を目指すにせよ、アパレルなど、実店舗がある業界の場合はその企業の店舗に足を運ぶのが一番良いです。店構え、店員の動き、商品の品質、顧客の入り方など、各種の生の情報が一気に手に入れられます。顧客から求められ、事業継続ができる企業の店舗の場合はやはり、それなりに活気があるものです。本稿がご自身の希望業界分析の際に参考になれば幸いです。

<TEXT/アラートさん(@blackc_alert) 協力/OpenWork[オープンワーク]>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
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