突然の営業への異動辞令。それでも私が「人より速く“成長”できた」理由
他の人の経験にも目を向ける
さらに、人と差をつけたいと思う人は、他の人の経験にも目を向けると良いでしょう。以下の図のように他人のGoodは“模範教師”、Moreは“反面教師”として、自分自身にも活かしていくのです。この意識を持てるようになると、他人の動きにも関心を持つようになり、自然と視野が広がります。
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Good More
自分/成功体験/失敗体験
他人/模範教師/反面教師
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そしてこの経験は、リーダーやマネジャーになってからも活用できます。マネジメントで一番やっていはいけないことは、自分の成功体験や失敗体験を振りかざし、「自分も昔はこうだったから、きっと君もこうだろう」と決めつけてしまうことです。“自分と他人は違う”、“今と昔は違う”そんな前提を持ち続けるためには、常に他人からも学んでいく姿勢が大切なのです。
コンサルから突如として営業職に
実際、私はリーマンショックでコンサルティング業界が大苦戦中だった2009年、入社6年目で営業部長に就任しました。入社してからコンサルタントとしてのキャリアを積んできた自分にとって、営業は初めて経験する職種でした。
さらに自分以外のメンバーは、全員1年目から3年目までの若手層。私は、自分自身の過去の経験だけでは立ち行かなくなると考え、まず他部署にヒアリングしてまわりました。他部署の成功体験・失敗体験を収集し、自分たちのチームで活かすことで、結果的に過去最高の受注金額達成とV字回復を実現させることができました。
特に、中堅層になると、裁量権を与えられて仕事での成功体験も増えた結果、自身のプライドが邪魔をして他人に相談ができなくなる人が増えていきます。そのようなプライドは捨て、他人から学び続ける姿勢こそが自分自身の加速度的な成長につながるのです。
学ぶの語源は、“真似ぶ(まねぶ)”です。自身と関わる全ての人から学ぶことがあるという気持ちで、自分自身を高めていってほしいです。
<TEXT/株式会社リンクアンドモチベーション取締役 川内正直>