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コロナ下の転職市場と、オンライン面接を乗り切るためのポイント

学び

2)コロナ禍での面接:WEB面接

仕事 テレワーク

 WEB面接はオンラインコミュニケーションツールを利用した面接形式です。録画を伴う場合もあります。一般的にビデオと音声の双方を利用した形式で行われます。ツールの種類は「Google meet」「Zoom」「Microsoft Teams」などがあります。

◆ポイント
・対面での面接と比較するとマナーの面が形式化されていない
・タイムラグがあるため面接官も話しづらさを感じている

◆攻略方法
◇リアクション
……WEB面接では常にスムーズに音声が伝わり、コミュニケーションが取れている場合ばかりではありません。ネットワークの遅延が発生したり、一時的に音質・画質が低下したりする場合もあります。したがって、面接官の質問が聞き取れない、こちらの回答が正確に伝わらないといった問題が起こり得ます。

 質問が聞き取れない場合はもう一度聞き返す、また、こちらの回答が先方に伝わっているか判断するため、相手の言動を良く観察するといった気配りが必要です。現職でWEB会議を行っている場合、これらの点について意識的に取り組んでみましょう。

◇施設の利用
……コロナ禍でテレワークが浸透する中、それを補助するサービスが増え始めています。例としてレンタルスペースやカラオケボックスが挙げられます。テレワークのためのスペースとしてサービスを提供しているため、ネット環境は整っています。自宅のネットワーク環境に自信がない場合はこれらの施設を活用するのも選択肢のひとつです。

◇WEBカメラ・マイク・イヤホンの購入
……PC付属のWEBカメラの活用でも問題ありませんが、外部ディスプレイなどを利用している方についてはWEBカメラの購入もおススメです。自身が明瞭に映る位置に取り付けて話すだけで印象は格段に変わってきます。

 また、面接官の質問が聞き取りにくい、こちらの回答が伝わらないなどの問題は、ネットワーク環境によるものだけではなく、マイクやイヤホンの性能にも左右されます。PC備え付けの物よりも音が拾いやすくクリアに聞こえるマイクやイヤホンを購入することも推奨されます。

◇カンニングペーパーの準備
……ここまでWEB面接における問題点を挙げてきましたが、実は有利な点もあります。それは、面接官に手元やデスクトップ画面を見られない点です。事前にカメラから見えない位置に想定質問への回答を記載したメモを貼る、企業概要のページを開いておき常に数字を確認できるようにするなどの準備を行い、安心して面接に臨める状態を作りましょう。

コロナ禍でも変わらない採用基準

チェックリスト

 コロナ禍とはいえ、企業側は自社に合う人材を獲得したいと思っているからこそ、求人を出していることには変わりはありません。オンラインか、そうでないかはあくまでもツールの話であって企業側が候補者に求めることは変わっていません。

 企業側の疑問は常に下記の3点です。

・自社で長く働いてくれるだろうか(すぐに辞めないだろうか)
・自社のカルチャーにフィットするだろうか?
・スキルが足りているだろうか

 面接に臨む際には各回答が上記の3つのアピールにつながるように意識するだけで通過率は大幅に変わってきます。

 人事側も手探りの状況でオンライン面接のマナーもまだまだ、確立されていないといえるかと思います。だからこそ、できる準備を十分にすることでほかの候補者と差をつけられる状況であるといえます。コロナ禍を苦にしない転職活動を目指していきましょう。

<TEXT/キャリアコンサルタント 丹羽大規>

業家/声楽家(テノール)歌う実業家。株式会社Luceキャリアデザイン事業部ディレクター。東京藝術大学声楽科テノール専攻卒業。一橋大学経営学修士コース(MBA)修了。2015年ベルテクス・パートナーズへコンサルタントとして参画。2018年より現職。声楽を川上洋司氏に師事。神奈川県出身。大学在学中より「音楽家が食べていける社会づくり」に関心を持ち、MBAとコンサルティング事業にて研鑽をつみ、キャリア支援サービス「ストリーデ」を開始

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