“ふるさと納税屋”からの脱却。トラストバンクが目指す「行政のデジタル改革」
行政のデジタル化で「地域共創」を推進
「自治体が独自の地域通貨を発行できる『chiica』や好きな地域に電気を直接寄附する仕組みの『えねちょ』、行政のデジタル化を推進するサービス『LoGoシリーズ』など、様々な視点から地域支援、地方創生に向けた取り組みを行っていますね」
今後は、地域活性化や地方創生のシナジーを生む企業とさらにアライアンスを組み、行政のデジタル化を拡大していくと意気込む。
「パブリテック事業はふるさと納税事業に次ぐ、第二の柱として注力していきたい。地方自治体の仕事って、とてもレガシーなんですよ。電話やFAX、対面でのやりとり、ハンコでの承認が主流なので、どうしても時間がかかってしまう。2019年11月にリリースした『LoGoチャット』は自治体向けのビジネスチャットで、導入行政では職員1人あたり平均約25分(1日)、年間で約98時間の業務削減効果が出ている。また、生産性が高まったことで無駄な時間を要せず、ペーパーレス化に繋がっています。行政の脱“対面・ハンコ・紙”を推進すべく、尽力していきたい」
行政手続きをスマホで行えるように
実際にLoGoチャットを使う自治体の職員からは、日頃の業務で困っている課題を直接吸い上げることができているという。そこから生まれたのが、行政手続きをスマホ完結で行える「LoGoフォーム電子申請」だ。
「行政のデジタル化を進めるとともに、それ以外では近年増えている災害に対してもレジリエンス(災害復旧力)強化を包括的に支援するサービスをリリースしました。ふるさとチョイスによる災害支援の寄付金以外でも、『水資源』『緊急医療』『エネルギー』の3つのインフラ環境を整え、災害時のサポート体制を構築していきます。こういった自治体の現場が必要とするソリューションの提供を通じて、今後も持続可能な地域づくりに貢献していきたい」
地域共創を掲げ、地方行政の支援をさまざまな形で行うトラストバンク。その取り組みは、地域活性化はもとより煩雑な行政手続きをよりスムーズにするきっかけにもなるだろう。
<取材・文・撮影/古田島大介>