元ゴールドマン・サックス社員が教える「投資初心者のための発想術」
投資は身近なところから始められる
この未来予測をすることに、実は楽しさの本質があります。ただし、1人でそれを考えていてもあまり楽しくなくて、友人やSNS上の同士などでワイワイ言いながらあれこれ予想してみるところに楽しさがあります。これって投資以外のところでも頻繁に起きているんですよね。
例えば、いつか売れると信じているアーティストについて友達と談笑する、ドラマの最終回の予想をしてみる、タピオカの次に流行るものを語る、ミステリーで犯人の予想をする、スポーツの勝敗を予測するといったことです。
投資だってトピックが変わるだけで同じなんです。経済、というと何だか難しいなぁと思うかもしれませんが、もっと身近なことから考えていけばいいと思っています。例えば最近友人がよく出す話題なんかもヒントになります。
「コロナの自粛太りで体型が気になるから糖質制限をしようかな」。この発言からどのように投資に結びつけるとすれば…? 確かに糖質制限という言葉は最近良く聞きます。そういえばコンビニで糖質が少ないことを強調したパンをよく目にするような。「ブランパン」というらしい。
ブランパンについて検索してみよう
気になってインターネットで調べたところ、「ふすま」が原料になっているそうです。ふすまパンは小麦の外側の表皮と胚芽を使った低糖質のパンで、健康志向の増加やダイエットで人気が出ていてどんどんメジャーになっているようです。そして、自粛太り悩みの増加。ダイエット絡みの食材はさらに人気が出そうです。
この気づきを、銘柄選びに落とし込んでいきます。具体的に、業績にどの程度インパクトあるのか考えてみるのです。「ふすまパンを売っているパン屋さん、あるいはコンビニの売上が増えるかも?」というのは当然思いつく、アイデアとなります。
しかし、コンビニふすまパンの売上が伸びているからといって、この気づきを元にコンビニの株を買うというのはやや早計でしょう。なぜならコンビニは多くの商品を売っていて、パンの占める売上全体の割合は限られ、ふすまパンがヒットしたとしても全体に与える影響は大きくないかもしれないからです。