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「超異端」な日本の正社員制度。世界基準での普通の働き方とは

学び

なぜ頻繁に耳にするようになったのか

男性の面接シーン

・メンバーシップ型、職能給制度→人に合わせて給与が出る
・ジョブ型、職務給制度→職に合わせて給与が出る

 このように2つの働き方は大きく違っているのです。なので、海外では労働組合は会社内でなく、その職ごとに存在します。定期昇給も基本的にはなく、仕事の内容が変わらなければ上がりません。

 その職種の相場が上がれば上がりますが、それは個人の能力ではなく、職そのものの賃金が上がるということ。

 しかし、なぜこうも頻繁に耳にするようになったのか。それは安倍晋三前総理が行った働き方改革の中に「同一労働同一賃金」という枠組みがあったからです。「同一労働=同じ仕事」であれば、「同一賃金=同じ賃金」、要するにジョブ型を指しているのです。

徐々にジョブ型への移行が進んでいる

 日本はメンバーシップ型の雇用と高度経済成長が絶妙に噛み合い、世界でも類を見ない戦後復活を遂げ、トップクラスの経済大国となったわけです。が、これは人口・消費が増え、インフレ率も一定にある場合に有効な考え方です

 日本はバブル崩壊以降、経済も横ばい、人口も横ばい、消費は低下、インフレどころかデフレとなっています。正社員制度、つまりメンバーを守ることが厳しくなり、非正規を増加させる手法で生きながらえてきましたが、いよいよ限界が近づいています。

 10年以上前からわかっていることでしたが、難しい改革ではありました。もちろん、メンバーシップ型を一気にジョブ型に変えるのは難しく、徐々に切り替えていくほかないのですが、ようやく情勢は変わりつつあります。トヨタ自動車が定期昇給を一律に行うのを辞めると発表したのも、こんな流れがあるからです。

 また、IT系やエンジニアを雇う会社がどんどんジョブ型へに切り替えています。メンバーシップ型では新卒の初任給を上げにくいところですが、ジョブ型なら優秀な人材に対して、能力に応じた賃金を支払うことが可能だからです

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