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「超異端」な日本の正社員制度。世界基準での普通の働き方とは

学び

正社員かどうかで大きな差が

 新卒で入る際は初任給は横並びで、定期昇給もほぼ横並び。2~3年もすると、それなりに戦力化してきますが、賃金はまだまだ安く抑えられています。一方、その2~3年組と大して変わらないレベルの仕事をしていたとしても、社歴が20年の社員は定期昇給で上がっているぶん所得が多い……

 そしてメンバーである正社員は仲間ですが、非正規は“非”メンバーなので同じ輪には入れない……。正社員には賞与に、定期昇給に、退職金が与えられますが、非正規には(多くの場合)どれもありません。要はメンバーかどうかが大きく問われるのです。

 また、日本型雇用のメンバーシップ型は「職能給制度」とも言われ、職能によって給与を決める側面もあります。「職能」の響きは、「能力主義」「実力主義」的な感じに聞こえますが、実態は大きく違います。

 売上が上がったとか、生産性が上がったとかではなく、能力が上がっただろうという推察のみで昇給するのです

世界基準ではジョブ型が普通の働き方

倉庫

 続いてジョブ型について説明します。これは世界的には普通の働き方であり、「職務給制度」と言ったりもします。「職務に応じた賃金」ということですね。なかなかピンとこないと思いますので、例を挙げますと、時給1200円の倉庫業務の契約社員の求人があったとします。

 候補者で倉庫業務歴20年のベテランが来たとします。年齢40歳で妻子持ちとしておきましょう。あなたが経営者だとしたら、特例で時給を上げますか? 上げないですよね。あくまで時給1200円で倉庫業務をやってもらうという求人なわけですから。

 何となくお判りだと思いますが、ジョブ型とは仕事の内容を明確に定め、それによって給与を出す仕組みになります

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