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潘めぐみ、初めて“声優業”を意識した瞬間「テレビからの母の声が」

暮らし

男の子役だからと声色を考えたことはない

潘めぐみ

――声優さんは、男女の枠も、時には人間でないキャラクターも演じます。特に潘さんは少年役もとても人気ですが、少年役と少女役、演じるときに声の出し方など、何か気を付けていることはありますか?

潘:男の子だからこうする、女の子だからこうするといったことは考えたことがないです。その人物であることが第一。よく「何々役を演じます」と言いますが、本当は役のつもりもないです。その人としてそこに立っているので。そのキャラクターの声にバチンとハマる前に、声の高低や音域の幅といった細かいことをトライして考えてはいきますが、性別は特に意識していません。ただ1つだけ、その人物を動かす動機は大事にしています。

――動機ですか?

潘:たとえば復讐なり、恋なり、なにかひとつブレずにあるその人の原動力。今回の朱里でいえば、先ほどお話した「常に自分以外の誰かがいる、誰かのためを思っている」ということ。そこが決まればほかはあまり意識せずに、その場でのやりとり、掛け合いを楽しむことからキャラクターが生まれていく感じがします。

母以外の動機を見つけたかった

潘めぐみ

――潘さんはお母様も声優さんです。同じ業界に進むことに、影響があったと思いますか?

潘:私、初めて“職業”というものを認識したのが声優だったんです。3歳くらいのときに、テレビから母の声が聞こえてきて「え!?」となった。今、お母さんは台所でネギを切っているのに? と(笑)。不思議な体験をして、お母さんの仕事って、黒猫になること(『美少女戦士セーラームーン』のルナ)だったのかなみたいなところから、声優という仕事を認識していったんです。

――3歳でわかるものなんですね。

潘:やっぱり子どもってお母さんの声が分かるみたいです。たまたま家にあったビデオを入れたら『機動戦士ガンダム』で、ララァの初登場シーンが出てきたんですけど、「お母さんだ」と思いました。母の声は分かるみたいです。「これがお母さんの生業?」と(笑)。

――潘さんもその生業を選んだわけですが。

潘:声優という職業を知ったきっかけは母ですが、世襲制の仕事でもありませんし、自分も声優になるべき、なりたいと特別に思っていたわけではありません。でもお芝居をすることが自ずと好きになっていったときに、母以外の動機を見つけたい自分がいたんですよね。

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