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27歳で手取り15万円。「結婚できない…」携帯ショップ店員の悲哀

学び

給料はフリーター時代より少ない

結婚できない男

 ですが、収入はフリーター時代よりまさかのダウン。当然、生活は苦しくなっているとも。

「特にツラいのは、同棲中の1コ下の彼女よりも給料が月4万円近くも少ないこと。できれば彼女と結婚したいと考えていますが、収入のことがネックでプロポーズすることができなくて……」

 女性のほうが稼ぎの多い共働きカップルは、今どき珍しくありません。そこにコンプレックスを抱く必要はないと思いますが、今の会社の給料では結婚に踏み出せない気持ちはわかります。

「入社以来、大変お世話になっているチーフ(30代後半)と飲みに行った際、ポロッとその話をしたことがあったんです。すると、『お前は真面目だし、仕事も本当によくやってくれている。けど、将来のことを考えれば、ウチの会社に残るのは慎重に考えたほうがいい。俺は年齢的に会社にしがみつくしかないが、お前は違う』って。さすがにここまで言われるとは想像してなくて、自分の中で転職を強く意識し始めた瞬間でした」

相談した上司に転職を勧められた

 しかしながら、コロナ禍の影響で20代の転職市場も急激に冷え込んでおり、なかなか実行に移すことができずにいるといいます。

「もちろん、ここで焦ってもロクなことがないとはわかっています。この状態で今の会社で働かなきゃいけないのはモチベーションを保つ意味でも大変ですけどね。一応、彼女には将来のために転職を考えていること、今はこういう状況だから少し時間がかかるかもしれないが待ってほしいと伝えました。結婚する気がないと誤解されて、別れを切り出されたら、それこそ笑い話にすらなりませんから

 上司や同僚など人間関係に恵まれた職場だったとしても、結婚に踏み切れないほど給料が安いのは論外。転職を勧めた上司もきっと部下の将来の身を案じてのアドバイスだったのでしょうね。

<取材・文/トシタカマサ イラスト/パウロタスク(@paultaskart)>

ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中

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