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伊藤忠、三菱商事…待遇への満足度は?総合商社8社ランキング

ビジネス

 就活生や転職者が「この会社・業界ってどうだろう?」と思った時、強い味方になるのが「口コミサイト」です。昨今では、現役社員やOBが体験談を投稿できる口コミサイトが多数登場していますが、ネットの情報だけで、どこまで企業・業界のことがわかるのでしょうか?

年収 交渉

※画像はイメージです(以下同じ)

 初回は就活でも人気業界になっているものの、意外とイメージをつかみにくい「総合商社」について、就職・転職のためのジョブマーケット・プラットフォーム「OpenWork」(オープンワーク株式会社)のデータをもとに、主力企業の特徴を比較していきます。今回は「総合商社」がテーマに、そのものズバリ「総合商社」で絞り込みを行います。

「チャート形式」で複数企業を比較

 今回は、下記の企業群をさまざまな角度で調べていきたいと思います。

総合商社

図 1 総合商社業界の総合評価ランキング ※OpenWorkより(以下同)

Openwork 総合評価ランキング」は下記の通りでした(※順位・評価・ランキング画像は記事作成時の2020年8月14日時点のスコアを使用。また業界8社の口コミ合計は約11500件。ただし1人で複数項目の書き込みをするため口コミ数=人数ではない、以下同)。

【総合評価ランキング】
1位:伊藤忠商事株式会社(評価4.38)
2位:三菱商事株式会社(評価4.33)
3位:三井物産株式会社(評価4.26)
4位:住友商事株式会社(評価3.97)
5位:双日株式会社(評価3.96)
6位:兼松株式会社(評価3.95)

 今回確認した「総合商社」ランキングでは上位6社とも平均的な評点が高く、全体評価では差がつきにくいので、各社のチャートを見て、「上位6社で共通している項目」「会社ごとに評価が異なる項目」を確認します。

 まず、業界上位で共通している項目は「法令順守意識」が高いことでした。上位のどの企業も残業時間が20~40時間/月程度と、常識的な範囲の数値になっていることからも納得感があります。「法令順守意識」について、いくつかコメントをご紹介します。

【住友商事の社員クチコミ】
 法令コンプライアンス遵守が最優先であり、企業文化としては常識人が集まっているイメージだが、やはり昔からの商人気質を持ってる人たちがマネージャー以上に沢山いるため、気合いみたいなことを問われることも多々ある(営業、在籍5~10年)。

【伊藤忠商事の社員クチコミ】
 一部上場であり、コンプライアンスは非常に厳しいです。一昔前に流行った飲み会はもう絶滅危惧種だと思います。99%の部署では20時退社、飲み会は22時までが徹底されていると思います(営業、在籍3年未満)。

総合商社「人事評価の適正感」ランキング

 続いて、会社ごとに評価が大きく異なる項目は「人事評価の適正感」「社員の士気」でした。まず、「人事評価の適正感」が高い順に企業を並び替えてみます。

【人事評価の適正感ランキング】
1位:伊藤忠商事株式会社
2位:三菱商事株式会社
3位:丸紅株式会社
4位:三井物産株式会社
5位:双日株式会社
6位:豊田通商株式会社

 総合ランキングでは上位だった住友商事・兼松の代わりに丸紅・豊田通商がランクインしました。イメージがつかみやすいよう、「人事評価の適正感」評価が高い企業のコメントと、低めの企業のコメントをご紹介します。両者を比較すると、「若手向けの評価制度」がどのようになっているかが分かれ目であるように感じました。

【平均評価が高い:三菱商事社員のコメント】
給与制度:年功序列かつ硬直的であった人事制度を改め、2019年度より新人事制度がスタート。(中略)今後は30代半ば以降の中堅社員を旧SP職相当に抜擢する事が出来るようになった為、若手のモチベーションは向上している(営業企画、在籍5~10年)。

【平均評価が低い:豊田通商社員のコメント】
 若手の昇格に対する条件が2018年から一気に厳しくなった。TOEICが取れていないマネジメントが多い中、若手には厳しい(代理店営業、在籍3~5年)。

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