中国が“尖閣諸島乗っ取り”に本腰。命運は8月16日以降に
中国側は持久戦の構えか
コロナ第2波で感染者が最も多いのは東京だが、人口10万人あたりの感染者数は沖縄が最も多く、玉城デニー沖縄県知事は病床が不足していることに警戒を強めている。
在沖米軍での感染者数も多くなっており、コロナ第2波が米軍兵や自衛隊員一人ひとりの安全と健康を脅かすことになれば、それは必然的に運用能力に支障をきたすようになる。
中国としては、コロナ第2波によって日本世論が内向き化するなか、海警と軍の一体化行動、海上民兵の投入といった、さまざまなオプションを試そうとしている。
そして、日本や米国がどういった反応を示すかを注視し、現状打破に向けた戦略を長期的な視野で達成しようとしている。習近平政権は中国の海洋強国化を押し進めているが、デッドラインは存在せず、持久戦になる覚悟は織り込み済みであろう。
挑発行為がエスカレートするかも
8月16日に中国が尖閣諸島周辺で設定した休漁期間が終了する。それに合わせ大漁船団を組織し、尖閣諸島周辺での挑発行為をエスカレートさせる恐れがある。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大への対応が最重要課題であることは明らかである。だが、今現在尖閣諸島で起こっていることは、今後の21世紀の日本の繁栄を左右する事態といっても過言ではない。
領土面積でいうと、日本は中国の約25分の1しかない。しかし海洋面積ならば、中国の4倍、5倍ともいわれる世界第6位の海洋大国である。その広大な海を守ることは簡単なことではない。
安全保障は国家の根幹である。もっと日本の世論が本気になって考えないといけない問題だ。
<TEXT/国際政治学者 イエール佐藤>
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