なぜ飲食、アパレル業界は年収が上がらない?背景に残酷な現実
業務によって消費者金融・損保もヤバい?
最後に、業界自体は違いますが、オススメしない理由がほぼ同じなので、“番外編”として一気に紹介します。それは消費者金融業界と損保業界です。
消費者金融は債権回収業務がメインになります。つまり、貸した個人に、電話でお金を催促・督促する業務。損害保険業界は、営業であればよいですが、「事故請け業務」の配属も多いです。事故請け業務とは、事故が発生した時に、現場との電話対応をする仕事のことです。簡単に言えば、詳しい事故や損害の状況などを聞いて、保険金額を査定するような業務です。
こうした営業形式で得られるスキルは、とても特殊なものです。結果、他の損保会社に転職するならよいのですが、他の業界の営業に転職しようと思った時に、「使えるスキル」ではないので、つぶしが効きにくいのです。
たしかに、上述した3つの業界に比べると、「消費者金融業界」も「損保業界」も給与は比較的高めです。
しかし、お客さんに対してお金の返済を迫ったり、自動車事故を起こしたお客さんから保険料の支払いについて詰められるのに対応する業務は、精神的にとてもハードで、気持ちが病んでしまう人も少なくありません。
報われない業界にいる人が最初にすべきこと
では、最後に今その「(収入面で)報われない業界」にいる人はどうすべきかということについてお話しします。今回紹介したような業界は、他の業界や転職市場価値から見ると、明確な専門スキルがない「ノンスキル」という評価になる厳しい現実があります。
そのため、20代の若いうちに、明確なスキルを高められるような業界・仕事に転職したほうがよいと私は断言します。しかし、未経験でいきなり専門職に転職するというのは、転職市場の評価基準から考えると、ほぼ不可能なのが現実。
そこで、将来的につぶしのきくスキルが身についていく職業で、かつノンスキルの状態からでもなれる可能性がある仕事としておすすめしたいのが「無形商材の法人営業」です。具体的には人材、広告、IT、WEBマーケティングなどの業界の商材を、企業に売る営業です。
この職種にチャレンジして成果をあげてスキルアップを狙うというのが、一番無難に将来報われていく方法でしょう。業界や商品の知識もつくため、将来的にその業界の専門職に転職できる可能性が高まっていくというのも魅力の理由です。
【今回のまとめ】
1:業界選びの時点で、ほぼ給料は決まる!
2:飲食・小売・旅行代理店などは、収入面で報われにくい
3:転職するなら、無形商材の法人営業が狙い目
<TEXT/末永雄大>