「今の格差はエグい状態」森永卓郎の息子が語る、若者のキャリア設計
フリーランスの残酷な現実
森永:結局、使う側と使われる側に分かれるんですね。たとえばフリーのデザイナーで食うのがやっとというレベルだと、価格競争に巻き込まれやすく「バナー5本で5万円が相場だけど、うちなら10本5万円で請けます」となっていく。
片や仕組みを持ってる側だと、フリーのデザイナー同士で競い合わせて「本当は君に発注したいんだけど、別のデザイナーが『これくらいでやります』と言われてて。個人的には君に頑張って欲しいんだけどね」と言いながら、相手から「はい、わかりました」と引き出してるかもしれない。本当はそんな競合相手がいないかもしれないのに。
――フリーランスを礼賛する風潮もありますが、そう考えると残酷ですね。
森永:ただ親が資産家かどうか関係なく貧しい家庭で育った人でも、先程の例のようにアイデアと行動力があれば、スマホひとつで突き抜けることもできるので、フェアっちゃフェアともいえます。だから、どう稼ぐのかという知恵と、実際に行動に移せる能力がすごい重要な時代だと思います。
――実家が太い、細いは自分のアイデア次第で乗り越えられると。
森永:本当にそう思いますよ。もちろん、親が金持ちだからリスクが取れる部分もあるでしょうけど、昔ほど、生まれた瞬間に人生の勝ち負けが決まるような時代ではないです。
20代に大切なのは自己投資
森永:結局、20代で大事な投資って、株への投資よりも自己投資だと思ってます。僕なんか“純ドメ”(純粋ドメスティック。日本生まれ日本育ち)の人間で、完全な国内培養。24歳になるまで海外に行ったこともなかった。
でもあるキッカケで、「日本だけで仕事してもしょうがない」と思って、国内でできる海外事案を自分から取りにって、そうこうしていると海外出張に行かせてもらうようになり、最終的に海外駐在や海外起業しています。そこまでいくと「あいつ言葉できるね、安心して海外駐在させられるね」という評価になって、仕事が降ってくるんですよ。そしてみんなができない仕事というのは、概して給料が高い。