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「リモート体験入社」できる転職サイト、入社後ギャップはないのか?

学び

「成果主義」の傾向が顕著に

体験入社

江ノ電「由比ヶ浜駅」徒歩1分の鎌倉オフィス。現在はオンラインで転職相談を実施しているそうだ

 とはいえ、組織風土や実際に働いている人の様子などは、リモート状態だとわからない部分も多いのではないだろうか。「事前に聞いていた職場の雰囲気と違う!」なんて、入社後ギャップが心配だ。

「リモート体験入社は生まれたばかりのサービスです。他の転職サイトさんもやっていない弊社発信の企画なので、お客様からいただくフィードバックの蓄積はまだありません。今後お客様からいただく意見を大切にして、より良いサービスにしていきたいと考えています」

 松本氏によれば、コロナ禍による経済危機以降、転職の相談件数が増加傾向にあるという。アフターコロナ・ウィズコロナの観点から見て、今後の転職市場の見通しを知っておきたい。

「第4次産業革命で普及されるとしていたリモートワークは、新型コロナウィルスの影響で急拡大しています。多くの人がリモートワークのメリットを体験したことにより、新型コロナウイルス収束後もリモートワークの活用が進むことが考えられます」

日本の雇用形態も変わっていくかも

「リモートワークの活用が進めば、仕事はより成果重視に転換されます。オフィスに出社して働く場合は、労働時間の長さで社員を評価する旧態依然の習慣がありましたが、リモートワークでは成果に対して相応の給与を支払うという『成果主義』の傾向が顕著になるのではないでしょうか

 アフターコロナ・ウィズコロナの時代は、明確な成果を出せるスキルの形成が必須になると主張する松本氏。それを踏まえた上で、若い人たちは長期的なキャリア形成をどう図って行くかが、今後の人生で重要なポイントになるそうだ。

「例えば、欧米では当たり前のように体験入社が雇用システムの中に組み込まれていて、Googleなどでも採用試験にワークサンプルテストが実施されています。しかし日本ではほとんど根付いていない。原因は欧米がジョブ型雇用(職務をベースに人材を確保する形態)なのに対して、日本はメンバーシップ型雇用(人材に職務を割り当てるポテンシャル重視の形態)が主流だったからです。どちらが良くてどちらが悪いということではありませんが、今後は日本でもジョブ型の雇用形態が増えていくのではないでしょうか」

 コロナという悪夢を経た転職市場は、スキルを高めてキャリア形成を怠らない人が最終的な勝ち組になる時代を迎えそうだ。

<取材・文/永田明輝>

気候変動が進む地球の環境問題どうにかして。そんな雑食系ライター

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