テレワーク対応で見極める「真のブラック企業」の特徴。システムの導入は…
テレワークでブラック企業を見極める方法
――テレワークの導入が進みつつありますが、グッドブラック企業とバッドブラック企業では内容に違いはありますか?
大橋:基本的にバッドブラック企業は、丸投げ体質が染みついていますから、業務上の明確な指示出しが得意ではありません。なので、テレワークになるとヒドい場合は完全に放置されてしまったり、あるいは延々とeラーニング(インターネットを利用した学習システム)をやらされるだけとか、成長の糧にならない無駄な時間を過ごすことになる可能性が高いと思います。
グッドブラック企業の場合は「Zoom」や「Slack」などリモート業務に必要なシステムを積極的に活用して、縦横のコミュニケーションを絶やしません。というのも、毎日出勤しているオフィスとは違い、自宅という誘惑の多いプライベート空間に仕事を持ち込むわけですから、若いビジネスマンが一人で引きこもっていたら仕事なんて捗らないものです。とくに、私のように自宅の机ではどうしても集中して勉強できず、自習室に通って受験勉強していたタイプはなおさらではないでしょうか。
そこで重要なポイントになるのが、社員育成に長けたマネージャーとの「1on1ミーティング」。これがあればモニター越しでも信頼関係の構築がしやすい上に、仕事の進捗についても密な連絡を取り合うことができます。できれば毎日、テレワークでこの1on1を実施している企業はグッドブラック企業の鑑ですよ。
優秀なマネージャーが再び注目される
――やはりコミュニケーションが大事なんですね。
大橋:今はマネジメントを排除し、スタッフが完全に自律して働く「ティール組織」のような考え方が増えています。そのせいか、「企業にマネージャーは不要」という論調を耳にしますが、私はそうは思いません。
コロナ禍を機に、今後は優秀なマネージャーがビジネスの世界で再びクローズアップされるのではないでしょうか。なぜなら、ジム通いやダイエットでも三日坊主の人が多いのに、まして仕事ともなると、自分ですべてマネジメントできる人は、そう多くはないからです。
このようなことから、管理職のマネジメントスキルは今後いっそう厳しく評価されることが予想されるので、若手のみならず、ベテランもスキルアップは欠かせないということになります。
こうしたコロナ禍での対応にも、「グッドorバッドブラック企業」を見定めるためのヒントが隠されているので、みなさんも注意して観察してみてください。
<取材・文/永田明輝>