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ロッテ「ガーナ」はなぜ赤い?56年売れ続けるワケを担当者に聞いた

ビジネス

 日本のチョコレート市場を牽引してきた菓子メーカーといえば明治、ロッテ、江崎グリコ、森永の4社だろう。各メーカーそれぞれにヒット商品を持ち、長年消費者に親しまれるブランドとして知られている。

ロッテ本社

東京・新宿区にあるロッテ本社 CC BY 3.0

 そんな中、ロッテの「ガーナチョコレート(以下ガーナ)」もまた、1964年の発売以来根強い人気を誇る商品だ。ガーナが今なお愛される理由と最新の消費動向について、株式会社ロッテ マーケティング部ブランド担当ガーナブランド課の米岡孝輔課長に話を伺った。

ガーナが長く愛される3つの理由

 ガーナが数あるチョコレートの中で、長年愛されている理由は大きく3つあるという。米岡氏は「まずはなんといっても味。特にミルクのコクですね。昔からのガーナファンの方々には『ミルクの甘さやコクがガーナならでは。初めて食べた時から虜になった』とよく言われます」と話す。

ガーナ

「ミルクチョコレートの本場であるスイスのチョコレートを、日本人の口に合うよう改良に、改良を重ねて完成したのがガーナです。口の中でなめらかにとろけ、ミルクのコクを贅沢に堪能できるチョコレートに至るまで、試行錯誤を繰り返しました」

 2つ目はガーナの真っ赤なパッケージにあるという。今では赤いパッケージのチョコレートは他にも多くあるが、発売当時は奇抜な色そのものだったそうだ。

「当時は『チョコレートといえば茶色』が当たり前でしたが、チョコレートへの『情熱』や『元気感』を表現するため、赤いデザインのパッケージにしました。実を言うと、ガーナは発売からずっと赤いパッケージで、大きなデザイン変更はほとんど行っていません。お客様がお店で『赤いチョコ』を探し続けてくれて、いつも同じ売り場に赤いチョコを置いてもらえたことで、多くのファンができたと思っています」

ガーナならではの「優しさと元気」

ロッテ

株式会社ロッテ 、ガーナブランド課の米岡課長。ホワイトボードには手書きのガーナ

 そして3つ目は、消費者一人ひとりの思い出になる取り組みを長年に渡って続けていることだと話す。

「ガーナのイメージをお客様に聞くと、多くの人が『バレンタイン』や『母の日』にまつわる思い出を語ってくれます。また、子供のときにバレンタインチョコをガーナで手作りし、今ではお子様と一緒にバレンタインチョコを作るエピソードも聞いたことがあります。もちろん時代に合わせて変化している部分もありますが、取り組みの本質・核は大切に守り続けているので、多くの方に共感を生むきっかけになっていると考えています」

 食べて美味しいだけではない、ガーナならではの「優しさと元気」こそ、今も昔も多くの消費者に愛される所以だろう。

「ガーナは主役にならなくても、それがきっかけで幸せな時間になることができれば十分だと思っています。家にあるいつものチョコがきっかけで物語が始まる。大袈裟かもしれませんが、本当にそんなチョコになれたらと考え、ブランドの取り組みを実践しています」

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