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新型コロナに「Play at home」で在宅支援。ソニーのゲーム事業が好調な訳

ビジネス

SIEの平均年収と働きやすさ

 総じて平均年収も高く、周囲からいい影響を受けながら働ける環境であることが伺えました。条件が悪い点が特に見当たりません。年収については、SIEは新卒採用の実績値のみ公開しているので、こちらを例示します。

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学部卒、修士了:402万円
専門学校・短大卒:330万円
(いずれも年俸額・2019年実績値)
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 初年度の年俸でこの金額はかなり条件がよいと言えます。また、参考として親会社のSONYの平均年収は1050万円(2018年度有価証券報告書より)であり、関連会社もある程度この水準に影響されるため、総じて入社後の年収の上昇も期待しやすい状況であると言えます。

 なお、社風については好き嫌いが分かれるので、この点は特に事前確認が必要です。「兼務が多い」という点は組織改編が頻繁な企業において頻発します。企業経営の成果が出ている会社によくあることではありますが、腰を据えて働くほうが向いている人にとってはストレスになる可能性が高いでしょう。

 また、「ゲームが好きという人があまり多くない」という点も、ユーザーとして期待しすぎるとギャップになりやすい可能性があるので、あらかじめ覚悟すべき点です。

 こうした条件の良さからうかがえる通り、入社難易度は高いです。 エンジニア職であれば中途の採用ポストも多く、実力主義であるため事前に結果が予測しやすいですが、企画・管理部門の職はもともとのポスト数が少なく、中途であっても競争はさらに激しくなるでしょう(現在企画・管理部門募集ポストは5職種のみ)。

SIE「ホワイト/ブラック度」判定

SIE:★★★★★

 PlayStation/PlayStation2で一世を風靡したのちの不調も乗り越え、再度拡大基調に戻ってきています。新型機にも期待が集まってきており、さらなる発展が期待できそうです。

 IRの数値面ではもう少し詳しく欲しい数値もありましたが、SONY自体の事業規模が多岐にわたる(エレクトロニクスから、音楽・映画・保険まで)ため、現存するIR資料において、20年継続してゲーム単体の売上・利益数値が存在しているだけでもありがたいのでは……? というのが率直な感想でした。それだけ、ゲーム領域が親会社内でも期待されているのだろうと考えられます(主力事業は事業単体のセグメントに分けられることが多い)。

 また、働く場としても、周囲の同僚や条件も良く、働きやすい職場であることが十二分に伝わってきました。その代わり、入社難易度は非常に高いため、このような企業への入社・転職を目指すには相応の準備が必要であると考えられます。今後の期待を込めて★5としました。

<TEXT/ブラック企業アラート>

ブラック企業を生き抜いた歴戦のプロダクトマネージャーが、公開情報からホワイトorブラックを判定し、率直な理由とともにお伝えします。
Twitter:@blackc_alert
note:ブラック企業アラート

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