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なぜ会議の「ブレスト」は失敗するのか?アイデアが出る4ステップ

学び

ステップ3 ランダムにつないでいく

 ステップ1、2が終わると、横に変数、それぞれの行にその変数内のバリュエーションが並んだマトリックスができます。手巻きずしでいうと、目の前に具材が並んでいる状態。ここから、好きに具材を取ってオリジナルの自分好みの手巻きずしを作るように、目の前の選択肢から要素をピックアップしていきます。

 ただ手巻きずしと違うのは、自分のバイアスを外しながら、枠外発想につながるように、サイコロを振ったり、くじ引きで番号を決めたりして、それぞれの変数をランダムにつないでいくという点です。

 例えば、サイコロを振って1、2、5が出たとしたら、その順番の単語をつなぎます。すると、高齢の女性向けに、スケボーでサッカースタジアムの中で乗る乗り物というアイデアが生まれます。

ステップ4 アイデアを考える

ビジネス 疑問

 ステップ3で導き出されたテーマに沿って、どのような乗り物がいいかを考えます。ここでも、「こんな乗り物はあり得ない」などと否定せずに考えてみるのが大事です。このチリテーブルで体験していただきたいのは、アイデアのパターンが桁違いに増えるということです。

 変数が5つで、各変数の単語が5つしかない場合であっても、一通り組み合わせると、計算上は5×5×5×5×5= 3125通りのアイデアが生まれます。変数と単語の数が多ければ多いほど、アイデアの数は天文学的に増えていきます。

 このステップによって生み出されたアイデアは、即製品・サービス化できるものとは限りません。しかし、「高齢者にとってスタジアムの段差の上り下りはつらいんじゃないか」という気付きから、それを解消する製品を生み出すきっかけになる可能性もあります。

 マンガのキャラクターをリストに入れてもいいですし、北極やエベレストなど現実的にはあり得ない場所を入れるぐらい、遊びながらアイデアを出し合うと予想以上に話が広がっていきます。

<TEXT/佐々木康裕>

Takramディレクター&ビジネスデザイナー。早稲田大学政治経済学部卒業。イリノイ工科大学デザイン大学院(Institute of Design)修士課程(Master of Design Method)修了。グロービス経営大学院客員講師(デザイン経営)。著書に『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』(NewsPicksパブリッシング)がある

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