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スターバックスの非常識な発想。“行列を生む”人気の理由とは

学び

 本来、カフェといえば座り心地の悪い椅子を設置したり、席と席の間隔を狭めて、すぐにお店を出たくなるような店づくりをする。回転率を上げるためだ。一方、スターバックスはその真逆をついている。

スターバックス

※イメージです(以下同じ)

感性思考』(SBクリエイティブ)を上梓したビジネスデザイナーの佐々木康裕氏によると、スターバックスは常識の逆を突くことで「サードプレイス」の地位を築いているという。

 確かにその人気は、新型コロナの影響で都内店舗が4月9日から当面の間、休業した際は「最後のスタバ」を求めて行列ができたほどだ。同氏にその真相とスターバックスのような枠外の発想をするためのアウトプット法について解説してもらった。

新しい発想が求められる時代が来ている

 最近、VUCAという言葉をよく耳にします。Volatility[変動性]、Uncertainty[不確実性]、Complexity[複雑性]、Ambiguity[曖昧性]の頭文字を取った言葉で、今の時代は変化が早く、見通しが分からずに複雑であり、全てが曖昧な世界になっているということです。

 企業の立場からは、これまでの方法で将来の見通しや計画を立て、それに沿って事業を展開していく、ということが難しくなっており、新しい事業や製品を生み出すことが求められています。

 では、従来のようにとりあえず人を集めてブレストをすれば、斬新なアイデアは出てくるものでしょうか。ブレストについては、マイナスの側面もプラスの側面も言われています。

 マイナス面では、上下関係がどうしても影響し、上司の意見だから受け入れるといったことがどうしても起こってしまいます。それゆえ、若手や内向的な人が実は持っているすばらしい意見が埋もれがちです。

ブレストには、アイデア出し以上の役割がある

会議

 一方、早稲田大学の大学院で経営学を教えている入山章栄教授は、著書『ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学』(日経BP)で、アメリカのスタンフォード大学の経営学者であるボブ・サットンとアンドリュー・ハーガドンという2人の教授が、デザインコンサルティング会社のIDEOで調査した例を紹介しています。

 IDEOは今でもブレストを実践しているのですが、それはアイデアを生み出すという役割以上の働きがあるからではないかと指摘しています。その理由として、ブレストには組織内の記憶力を高める効果と、メンタルモデルをそろえる効果があるからだと分析しています。

感性思考 デザインスクールで学ぶ MBAより論理思考より大切なスキル

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いま世界のビジネスエリートが殺到する米国デザイン系大学院の1年間のプログラムのエッセンスを紹介しつつ、変化が激しく問題の見えづらいVUCA時代に、彼らがなぜ活躍できるのかを解き明かしていく一冊

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