新卒でベンチャーに入らない方がいい。元メガバンク人事が語る“就活論”
メガバンクでの人事経験が転機に
――そこから、なぜ会社を辞めて起業を?
ただの元人事:メガバンクでも何回か表彰をいただくなどして運良く活躍はできていたと思うんですが、自分のキャリアの限界が見えてしまったんです。メガバンクでは学歴や学閥の壁がどうしても拭えない瞬間があり、それを目の当たりにしてきました。
そこで一度外の環境を見てみたいという思いと、キャリアについて学びたい考え大手IT企業の人事になりました。
人事の経験を重ねる中で、次は誰かのキャリアを作る手伝いやもっと採用に困っている企業の手伝いをしたいと考えるようになりました。
一方で大企業などに所属をしていると自分のやってみたい事と企業が従業員に期待する事の乖離ってどうしても発生してしまうので、それなら自分でやりたい事を全てできる環境を作ろうと考え、人材領域で起業しました。
リクルーターにハマるコツは…
――メガバンクではリクルーターに近いことをしていたとのことですが、学生がリクルーターにうまくハマるコツってあるんでしょうか?
ただの元人事:リクルーターといえども、好き嫌いなどの主観で落としたり通したりすることはできないので、僕がいた銀行の場合だと、5つの評価項目がありました。
学生時代に頑張ったことが2項目、それと人物面、志望動機、志望度の5項目です。1項目につき3点満点の計15点評価になっていて、11点未満の人は採用を見送るという、明確な基準のもと選考をしていました。いわば点取りゲームなので、その会社の人事がどこを見ているか、評価項目を知るというのは重要ですね。
――その5項目は他の企業にもある程度共通していそうですね。その中でも特に重視していた項目はるあるんですか?
ただの元人事:銀行は無形商材の仕事なので、結局のところ人物面を最優先していました。それ以外の学生時代頑張ったこと、志望動機、志望度って、後天的に鍛えられるんですよ。
だから、志望動機が荒削りな子でも、明るく元気で素直な気持ちのいい子が来たら、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)は、こうやって話してみたら」「志望動機、こうやって作るんだぞ」ってアドバイスしたりするんです。
同時に、次に会ったときに直っていなかったら落とすというのもやってましたけどね。アドバイスを受けて改善できるかどうかでも、思考力の差が見えてくるので。