組織の壁を壊すコツは「社内外でのつながり」NTT若手社員の挑戦
一方通行のイベントにならないよう工夫
イベントを主導した若木氏は、参加型のイベントになるよう、講師の下道氏と話し合いを重ねて企画・準備を進めてきたという。
「講師の下道先生と一緒に考えながら、イベント内容を企画しました。講演するだけでなく、なるべく参加者と対話しながら(アクティブラーニングを重視しながら)イベントを進めていきたかったので、先生から参加者に問いかけをしていただいたり、ワークショップを盛り込んでいただいたり。一方通行のイベントにならないように工夫しました」(若木)
さらに若木氏は、キャリアを考えるうえでの学びの大切さを語る。
「ビジネス・フレームワークというのは、過去の歴史の中で先人たちが積み重ねてきた成功と失敗談が全部詰まっているものです。もちろん、それが全てではないですが、仕事の質量を高めるひとつのツールとして、こうしたイベントをきっかけに、もっと多くの若手ビジネスパーソンに活かしてほしいですね。仕事でも、自分のキャリアを考えるのにも活用していきたいです」(若木)
30万人のグループを抱える大企業
インタビューの最後に、山本氏は、学びや出会いの大切さを述べた。
「繰り返しになりますが、外部の知に触れるのが大事ですね。今まで自分が付き合ってきた人ではない人と出会う、話をする。読書でもよいと思います。知らないうちに自分の世界に閉じこもっていると思うので、身近なことからでも、別の世界を積極的に見てほしいですね」(山本)
「大企業を使い倒す」のに必要なのは、社内外でのつながりと、それを活かすための「コツ」。
グループの仲間たちと新規事業を立ち上げた山本氏の取り組みの裏側には、30万人のグループを抱える大企業ならではの障壁もあったはず。しかし、それを感じさせない彼の姿からは、仲間と一緒に「障壁さえも楽しむ」可能性さえ感じられた。
<取材・文/吉田 瞳>