20代の“手書き離れ”が加速「書くと遅くてイライラする」
企画会議の板書も「PC画面出力」で
ネット番組の制作に携わるハナさん(仮名・26歳)は、全員が20代というチームで働いています。
「今まで、番組の企画会議ではホワイトボードを利用していたのですが、最近では手元のノートPCに会議メモを取りながら、それを大画面に出力するという方法を取っています。人前に立つ必要がないですし、板書よりも速く書ける点が気に入っています。会議中に出た疑問をネット検索することも多いので、それをすぐにみんなで見られるのも便利ですね」
一方で、少し不便な点も感じているとか。
「企画会議では、頭の中のふわっとしたイメージを図を使って示したい場合が多々あるのですが、そういったときはホワイトボードのほうが便利ですよね。パソコンでもパワポなどを使えば可能なんでしょうけど、そこまで使いこなせていないので……」
いろいろなものをデジタル化する若い職場で、逆にアナログならではの利点を実感することもあるようです。
アナログ・デジタルを、どう使い分ける?
以上の事例ばかりではなく、資料や契約書のペーパーレス化も手書き離れの要因のひとつ。エコやコストカット面に優れるほか管理・アクセス・保管が容易なことから、導入する会社も増えています。
ただ、デジタルによって効率化を求める一方で、“手で書く楽しさ”を求める層も健在で、カスタマイズ手帳やその関連本は根強い人気があります。
さらに近年では、手書きのメモをデジタル化できるメモ帳も登場し、アナログとデジタルのイイトコ取りを選ぶ人も出てきているようです。
“文字を書く”行為にもさまざまな選択肢が用意されている現在、あなたはどのように仕事をしますか?
<取材・文/阿形美子>
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