新型肺炎で高まる経済リスク。中国企業「ドミノ倒産」も…
中国湖北省武漢市を中心に、新型コロナウイルス(新型肺炎)の感染が拡大しています。武漢市トップは謝罪したものの、基本的に人命を最優先に対応を進める中国当局の対応には称賛を送るべきです。一方で避けられないのが「経済リスク」です。
今回は、新型肺炎に起因し、現在高まりつつある中国での「ドミノ倒産リスク」について解説します(※いずれも情報は本稿執筆2020年2月13日時点)。やがて日本も同じような状況に陥る可能性もゼロではないので、対岸の火事と思わず、どのような仕組みで経済の流れがストップするのか、知っておいて損はないはずです。
感染拡大の第2波、経済混乱の必然性
新型肺炎の猛威に全力で対応している中国。当初の春節休暇の予定を延長し、全土で外出制限を行い、感染拡大を防ぐための必死の活動が行われています。
現在、中国の主要都市である北京、上海でも外出が制限されており、人々の経済活動に制約が生まれています。北京市では、会食の禁止が通告されました。中国各地では、人が集まることを防ぐため、2月、3月に実施が予定されていた展示会やフェアなどのイベントが軒並みキャンセルとなっています。
このような状態の中国では一般の人々が「お金を使ってモノを消費をする」という経済の根幹となるお金の流れが停滞しています。「風が吹けば桶屋が儲かる」と言うものですが、逆に消費者の購買活動が減速すれば、飲食店、メーカー、銀行と影響は拡大し、悪循環が生じます。
あらゆる産業でドミノ倒産が始まるリスク
その結果、個人の支出の減少により中小企業が倒産。それを引き金に銀行や大企業の経営が悪化し倒産……。その結果さらに個人の支出が減少するというドミノ倒産の悪循環リスクが高まっています。
現在の中国経済は実質的に止まっていますが、経済活動の稼働が再開するにつれて、業績数値で実態が報告されるようになり、新型肺炎によって受けたビジネス影響が明らかになることでしょう。
中国の状況を踏まえ、今後経済面でどのような影響が生じるか、わかりやすく流れで説明します。以下で記載することは、経済全体から見れば小さな1つの具体例に過ぎません。しかしこのような連鎖があらゆる産業で同時に複合的に発生するとお考えください。