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就活でタトゥーを理由に「不採用」にできる?20代がタトゥーで困った事件簿

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「親と会うときは手の刺青は隠してね」

タトゥー

 タトゥーで悩むシチュエーションは就活に限った話ではありません。東海地方在住の隈久保亮太さん(仮名・26歳)は両手5指に隙間なく掘ってある“和柄梵字”が悩みの種だそうです。

「19歳から彫り始めて、今はもう全身に入っています。もう3回くらい彼女の親と会ってるんですが、『親と会うときは隠してくれ』と毎回手袋を付けさせられるんですよね……。もちろん食事中にも。ご飯を食べるときに手袋ってめちゃくちゃ不自然だと思うんですが。

『結婚したら絶対バレるんだから早くお母さんに見せよう』って言ってるんですけど、頑なに拒否されてて……。彼女的には指の刺青だけは消してほしいみたいなんです」

 隈久保さんはタトゥーが入っていても問題のない仕事をしており、今後も消す予定はないと言い切ります。

「そもそも消そうなんて思ってたら最初からここまでびっしり彫りませんから。除去したところでえげつない痕が残るんじゃないですかね。彼女には悪いですけど、どこかで折り合いつけてもらわないとなって思ってますね。今度また、時間作ってゆっくり話します」

タトゥーを理由に採用しないのは法的にOK?

 周囲の理解が得づらいタトゥー。現在は問題なくとも、その先の人生まで影響が及んでいるようです。しかし、婚約者の問題はまだしも、1人目の高橋さんの「就活の問題」は「タトゥー差別」という気もします。

 弁護士・公認会計士の資格を持つ後藤亜由夢さんに、就活生をタトゥーの有無で判断する企業側が違法性に問われるのか聞いてみました。

「タトゥーを理由に落とすのは、基本的には問題ないといえます。まず、就職を希望する職種が営業職や接客業など、客前に出るような仕事であれば、今の日本においては社会通念上、タトゥーは一般的によい印象を持たれていないのが実情です。したがって、企業側で『その業務を十分に行うことができない』と判断され、不採用とすることは問題ないでしょう。

 また、就職を希望する職種が内勤などで、客前に出ないような仕事であれば、確かに仕事をしていく点においては直接の支障はないかもしれません。しかし、企業の採用の可否については、“採用の自由”が大きく認められています」(後藤氏、以下同)

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