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HearとListenはどう違うのか?英会話の基礎ルール

コラム

HearとListen、意味の違いは?

ヒアリング

※イメージです

 Hearは「聞こえてくる」「聞こえる」という意味。Listenは「聞く」という意味です。似たように、SeeとLookとWatchの違いに迷う日本人の入門英語学習者も多いですが、HearとListenも混同しがちです。意識的に聞くのはListenで、意識しなくても聞こえてくるのはHearと覚えるとよいでしょう。

 電話で話をしていて、音が途切れてしまう場合、Can you hear me? と確認します。「声がきちんと聞こえてきますか?」の意味。I cannot hear you.であれば、「声が聞こえないよ」の意味です。

 I cannot listen to you.と言ったら、例えば相手と意見が違ったりして、「あなたの言うことに耳を貸すことなどできない」という意味になってしまいます。

I hear you, but ….という「クッション」

 また、Hearという動詞の便利なところは、「なるほどね」という意味で使えること。相手の発言を受けて、決して合意はしないけれど、「なるほど」とだけ言いたい時に使える表現です。

「もっと積極的に投資したほうが良いと思います」という発言に対して「投資は抑えるべきだ」と言ってしまうと、相手は「こちらの考えをきちんと聞いてくれているのかな」と思わせてしまうでしょう。

 そこで、I hear you, but ….とクッションを入れるだけで、「あなたの言っていることはきちんと聞いていますが」というニュアンスを入れることができます。

<TEXT/木内裕也>

会議通訳者、ミシガン州立大学研究者。アメリカ大衆文化、アメリカ史の研究を行うほか、国際一流企業、各種国際会議などの通訳を行う。またプロサッカーの審判員としても活躍。著書には『同時通訳者が教える 英語雑談全技術』『耳と口が英語モードになる同時通訳者のシャドーイング』(ともにKADOKAWA)など多数。英語で仕事をする人の応援サイト「ハイキャリア」にも執筆

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