新婚夫レンタルから謝罪代行まで「代行サービス」のドラマチックな舞台裏を社長に聞いた
このビジネスは日本でしか成立しない
――ところで海外でも代行レンタル業というのは存在しているのでしょうか。
石井:いや、ほとんどないと思います。最近は外国のメディアやYouTuberからの取材もよく受けますけど「これはクレイジーカンパニーだ」って言われますから(笑)。外国人の感性らからすればわざわざ人間をレンタルなんかしなくても、本当に困っているなら正直に言えばいいのにって思うのでしょうね。例外としては外国人観光客がアトラクション感覚で利用するインバウンド需要くらいです。
でも日本人は世間体を気にするし、相手に対する気遣いがあるから本音はなかなか言えない。素晴らしい文化ですけど、それが仇となって代行や代理で角が立たないようにするしかないと考えてしまうんだと思います。いずれにしてもこのビジネスは日本でしか成立しないと思います。
――今後、日本特有の代行ビジネスはどうなって行くと思われますか?
石井:過去には私自身も運動会に父親役で参加したり、代行でなぜか出産の立会いに呼ばれたこともありました。最近は「何もしない人」までがレンタルされる時代ですから、「誰かそばにいてほしい」という感覚はみなさんあるんだなと感じています。だからこそ我々はこれからも社会を縁の下から支える存在であり続けたいですね。
<撮影・文/永田明輝>